空き巣に狙われやすいのは一軒家?マンション?知っておきたい防犯対策を解説

自宅の防犯対策を考える際、「一軒家とマンションのどちらがより狙われやすいのか」という点は多くの方が気になるポイントでしょう。警察庁の統計によると、住宅を対象とした侵入窃盗の被害は、マンションなどの共同住宅に比べて、一戸建て住宅でより多く発生している傾向にあります。
また、宅配業者を装った押し入りや、強引な手法による悪質な侵入強盗についても、一戸建てが狙われるケースが目立っています。全体として、一戸建て住宅は共同住宅よりも侵入のリスクに直面しやすいため、より重点的な防犯意識が求められます。

しかし、マンションだから安心というわけではありません。低層階や防犯設備が不十分な物件では、マンションでも空き巣被害に遭うリスクがあります。重要なのは、それぞれの住宅タイプに応じた適切な防犯対策を講じることです。

この記事では、一軒家とマンションの空き巣被害の実態をデータで示し、それぞれが狙われやすい理由や侵入手口を解説します。そのうえで、住宅タイプ別に有効な防犯対策を具体的にご紹介しますので、ご自宅の安全性を高めるための参考にしてください。

監修者情報

株式会社ヤマダホームズ
スマチエ編集部

これから家を建てたり、購入を検討している方たちは、どんなことを思い、なにを重視しているのでしょうか。ヤマダホームズがまとめた皆様の声や家づくり調査をご紹介します。

目次

一軒家とマンションの空き巣被害の実態

一戸建て住宅の被害件数が圧倒的に多い

警察庁の令和6年の統計によれば、侵入窃盗・侵入強盗いずれも近年は減少傾向にあります。しかし全体の約4割前後を住宅が占めており、そのうち一戸建てでの発生件数が共同住宅よりも高いことが分かっています。

この傾向は過去10年間ほぼ一貫しており、空き巣犯が一戸建て住宅を主なターゲットとしていることがわかります。ただし、共同住宅の被害が10~15%ある点にも注意が必要です。

侵入経路の違いから見る被害の特徴

一軒家とマンションでは、侵入者が利用する「経路」の傾向に大きな違いがあります。一戸建て住宅の場合、最も警戒すべきは「窓」からの侵入です。統計上も半数以上が窓を起点としており、次いで玄関、その他の出入口という順で被害が発生しています。

対して共同住宅(マンション・アパート)では、窓よりも「玄関」からの侵入割合が高いという、一戸建てとは対照的な特徴が見られます。マンションで玄関が狙われやすい主な理由は、共用廊下に面した玄関口が死角になりやすく、ピッキングやサムターン回しといった解錠技術を試す隙を与えてしまうためです。

一軒家が空き巣に狙われやすい理由

侵入経路が多く死角が生まれやすい

一戸建て住宅は窓や出入口が多く、侵入経路の選択肢が豊富にあるため、空き巣犯にとって狙いやすい対象です。通常の一軒家には玄関、勝手口、複数の窓、ベランダ、テラスなど多数の開口部があり、そのすべてが侵入ポイントになり得ます。

特に裏庭や側面の窓は道路から見えにくく、近隣住民の視線も届きにくいため、空き巣犯が作業しやすい環境です。庭木や塀、物置などが死角を作り出し、侵入作業を外部から隠してしまう場合もあります。こうした死角の存在が一軒家の防犯上の大きな弱点となっています。

人の目が届きにくく周囲から孤立している

一戸建て住宅は敷地内に独立して建っているため、マンションのように共用部分で他の住民と顔を合わせる機会がほとんどありません。このため不審者が敷地内に入っても、近隣住民が気づきにくく通報が遅れる傾向があります。

特に敷地面積が広い住宅や、周囲を高い塀や生垣で囲んだ住宅は、プライバシーが守られる反面、侵入者にとっても安全な作業環境を提供してしまいます。また、隣家との距離が離れている住宅地では、窓ガラスを割る音などの異常音に気づかれにくいという問題もあります。

防犯設備が不十分な物件が多い

一戸建て住宅では、オーナー自身が防犯対策を講じる必要があるため、設備の充実度に大きな差があります。マンションでは管理会社が一括して防犯カメラやオートロックなどを設置することが多いのに対し、一軒家では住む人の意識や予算によって対策レベルが左右されます。

築年数の古い一戸建てでは、窓に補助錠がない、玄関ドアが旧式の鍵のまま、防犯カメラやセンサーライトが未設置といったケースが珍しくありません。こうした物件は空き巣犯から見て格好のターゲットとなってしまいます。

一軒家の弱点 具体的な内容 空き巣犯にとってのメリット
侵入経路が多い 窓、玄関、勝手口、ベランダなど複数の開口部 侵入手段を選べる
死角が多い 裏庭、側面、庭木や塀で隠れた場所 作業を人目から隠せる
人の目が届きにくい 独立した敷地、近隣との距離 異常に気づかれにくい
防犯設備の差が大きい オーナーの意識や予算に依存 対策が弱い物件を選べる

留守を見抜かれやすい環境要因

一戸建て住宅は外部から建物全体が見渡せるため、留守の兆候を見抜かれやすいという問題があります。郵便受けに新聞や郵便物が溜まっている、洗濯物が何日も干しっぱなし、夜になっても照明が点かないといった状況は、道路から容易に確認できます。

空き巣犯はターゲットを下見する際、こうした留守のサインを重視します。また、駐車場の車の有無、インターホンを押した際の反応なども留守判断の材料にされます。一軒家では生活パターンが外部から読み取りやすいため、計画的な侵入の対象になりやすいのです。

マンションが空き巣に狙われるケース

低層階は侵入リスクが高い

マンションの1階から3階は、一戸建て住宅とほぼ同等の侵入リスクがあると考えるべきです。1階の住戸は窓やベランダから直接侵入できるため、空き巣犯にとって最も狙いやすい対象です。地面からの距離が近いため、特別な道具や技術がなくても侵入が可能です。

2階や3階でも、雨どい、配管、エアコンの室外機、隣接する建物の屋根、植栽などを足場にして登られるケースがあります。特に隣の建物との距離が近い物件や、足場となる構造物が多い物件は注意が必要です。実際の被害統計を見ても、マンションの侵入窃盗被害の約70%が3階以下に集中しています。

防犯設備が形骸化している物件

オートロックがあるから安全という思い込みは危険です。オートロックは他の住民が出入りする際に後ろから入る共連れ、暗証番号の推測、エントランス以外の非常口や駐車場入口からの侵入など、複数の突破方法があります。

防犯カメラが設置されていても、撮影範囲に死角がある、画質が粗い、ダミーカメラである、録画機能が作動していないといったケースでは、実質的な防犯効果は期待できません。また、管理人が常駐していない時間帯や、メンテナンスが行き届いていない物件では、防犯設備が十分に機能していない場合があります。

共用部分の死角が多いマンション

共用廊下や階段、エレベーターホールなどに死角が多いマンションは、不審者が潜みやすく侵入作業もしやすい環境です。特に外廊下タイプのマンションでは、各住戸の玄関が外部に面しているため、ピッキングやサムターン回しなどの侵入手口が使われやすくなります。

内廊下タイプのマンションは外部からの侵入者を発見しやすいメリットがありますが、逆に一度建物内に入られると人目につきにくくなります。また、ゴミ置き場や駐輪場、宅配ボックス周辺なども侵入者が下見に利用しやすい場所です。こうした共用部分の管理状態が防犯性を左右します。

住民の防犯意識が低い物件

マンション全体の防犯意識が低い物件では、不審者の侵入を許しやすくなります。たとえば、エントランスのオートロックを解除したまま放置する、共用部分に私物を置いて死角を作る、不審者を見かけても声をかけないといった状況が見られる物件は危険です。

また、住民同士のコミュニケーションが希薄で、誰が住んでいるのか把握できていないマンションでは、部外者が紛れ込んでも気づかれにくくなります。管理組合や自治会が機能していない、定期的な防犯パトロールが行われていないといった物件も、警戒心が薄いと空き巣犯に判断され、狙われやすいと言えます。

住宅タイプ別の効果的な防犯対策

一軒家で実践すべき防犯対策

一戸建て住宅では、侵入経路となる開口部すべてに対策を施すことが重要です。まず窓には補助錠を取り付け、ガラスには防犯フィルムを貼りましょう。特に1階の窓や人目につきにくい場所の窓は優先的に対策してください。面格子や防犯ガラスへの交換も効果的です。

玄関ドアには1ドア2ロック以上を設置し、ピッキングに強いディンプルキーやカードキーに交換することをおすすめします。勝手口がある場合は、日常的に使わないなら内側から補助錠をかけておくか、完全に封鎖することも検討してください。庭に面した窓やテラスのドアも忘れずに対策しましょう。

  • すべての窓に補助錠を設置し、1階や死角の窓には防犯フィルムや面格子を追加
  • 玄関ドアは1ドア2ロック以上とし、ピッキングに強い鍵に交換
  • 勝手口や裏口など補助的な出入口も確実に施錠し、必要に応じて補強
  • 庭や敷地内にセンサーライトを設置し、侵入者を威嚇
  • 防犯カメラを玄関と死角になりやすい場所に設置し、録画機能を活用
  • 庭木や塀を整理し、外部から見通しを良くして死角を減らす

マンションで実践すべき防犯対策

マンションでは、玄関ドアの防犯対策が最優先です。共用廊下に面した玄関は、ピッキングやサムターン回しの標的になりやすいため、ドアには補助錠を追加し、サムターン回し防止カバーを取り付けましょう。ドアスコープからの侵入を防ぐカバーも有効です。オートロックがあるから安全だと思わずに、防犯意識を高めて対策しましょう。

低層階の住戸では窓やベランダの対策も必須です。窓には補助錠と防犯フィルムを貼り、ベランダの手すりには登りにくくする対策を検討してください。バルコニーに面した窓を開けたまま外出しない、貴重品をベランダから見える場所に置かないといった基本的な注意も大切です。

  • 玄関ドアには、補助錠の追加に加え、サムターン回し防止器具やドアスコープカバーの設置
  • 特に低層階の部屋では、窓の鍵と補助錠や防犯フィルムを併用
  • 敷地や共用部では、オートロックを適切に活用するとともに、不審者を見かけたら声をかけるといった住民同士の連携が大切

共通して有効な防犯対策と留守対策

住宅タイプに関わらず、留守であることを悟られない工夫が重要です。長期不在の際は、郵便物や新聞を止める、タイマー機能付き照明で在宅を装う、SNSに不在情報を投稿しないといった対策を徹底しましょう。近隣住民に声をかけておくのも効果的です。

ホームセキュリティサービスの導入も検討する価値があります。警備会社と契約すれば、異常を検知した際に警備員が駆けつけるため、空き巣犯にとって大きな抑止力となります。月額数千円から利用できるサービスもあるので、予算や必要性に応じて選択してください。

空き巣が嫌がる家の特徴を取り入れる

空き巣犯は侵入に時間がかかる家や発見されやすい家を避ける傾向があります。侵入に5分以上かかると約7割の空き巣犯が侵入を諦めるというデータがあります。したがって、複数の防犯設備を組み合わせて侵入に時間をかけさせることが効果的です。

防犯カメラやセンサーライト、防犯ステッカーなど、外部から見える防犯対策は心理的な抑止効果があります。また、近隣住民の目が届きやすい環境を作ることも大切です。地域の防犯活動に参加する、挨拶を交わして顔見知りを増やす、不審者情報を共有するといった地域全体での取り組みが、最終的には最も強力な防犯対策となります。

ヤマダホームズでは、インテリアコーディネーターによる空間デザイン、デザイン性と機能性を両立させた斬新な間取り提案など、アイデア豊富なモデルハウスを全国にご用意し、みなさまのご来場をお待ちしております。ご興味のある方は、以下のサイトから詳細をご確認ください。

まとめ

空き巣被害の統計を見ると、一戸建て住宅は共同住宅よりも被害件数が多く、明らかに狙われやすい傾向があります。侵入経路が多く死角が生まれやすい、人の目が届きにくい、防犯設備が不十分といった構造的・環境的要因が、一戸建ての防犯上の弱点となっています。

一方、マンションだから安全というわけではありません。特に低層階や防犯設備が形骸化している物件、共用部分に死角が多い物件では、空き巣被害に遭うリスクがあります。マンションでは約7割の被害が3階以下に集中しているというデータもあり、階数による注意が必要です。

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