事前審査に通ったあと、本審査の結果が出るまでの期間は落ち着かないものです。売買契約を済ませていればなおさらで、「ここで落ちたらどうしよう」という不安を抱えたまま過ごすことになります。
本審査の際に金融機関が何を見ているかは国土交通省の調査で公表されており、事前審査から本審査までの間に何が変わると不利になるのかは、そこから読み取ることができます。
この記事では、金融機関が審査で実際に見ている項目、事前審査に通ったのに本審査で落ちる理由、審査期間中に避けたい行動、そして落ちてしまった場合の進め方を順番に整理します。
- 本審査に落ちる確率を示した公的な統計はなく、金融機関が何を見ているかから判断するのが確実
- 国土交通省の調査では、完済時年齢を審査項目とする機関が98.4パーセントで最も多い
- 借入時年齢96.2パーセント、健康状態96.1パーセント、年収94.2パーセント、勤続年数93.9パーセントと、9割超の項目が並ぶ
- フラット35の総返済負担率の基準は、年収400万円未満で30パーセント以下、400万円以上で35パーセント以下
- 信用情報は契約期間中および契約終了後5年以内保有され、支払状況には異動情報も含まれる
- 審査期間中の転職、新たな借入、支払いの遅れは、審査項目に直接影響するため避ける
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住宅ローンの本審査で金融機関は何を見ているの?

落ちる確率そのものは公表されていませんが、どのような項目が見られているかは調査で明らかになっています。審査項目を知っておくことで、本審査に落ちる確率を下げるために注意すべきポイントを事前に点検できます。
審査項目として挙げられる項目
国土交通省の令和7年度「民間住宅ローンの実態に関する調査」では、融資を行う際に考慮する項目として完済時年齢を挙げた機関が98.4パーセントと最も多くなっています。次いで健康状態が96.1パーセント、借入時年齢が96.2パーセント、年収が94.2パーセント、勤続年数が93.9パーセント、担保評価が91.0パーセント、返済負担率が90.9パーセントと、いずれも9割を超えています。
注目したいのは、年齢と健康状態が年収よりも上位に来ている点です。多くの金融機関では団体信用生命保険への加入が融資の条件になっており、健康状態は保険に入れるかどうかに直結します。また年齢は、完済までの期間を返済能力が続く範囲に収められるかという判断につながります。
同じ調査では審査方法についても触れられており、スコアリング方式では審査を行っていないと回答した機関が59.9パーセントで最も多くなっています。点数だけで機械的に決まるわけではなく、申込内容を個別に見る運用が主流ということです。
| 審査項目 | 考慮すると回答した機関の割合 |
|---|---|
| 完済時年齢 | 98.4パーセント |
| 健康状態 | 96.1パーセント |
| 借入時年齢 | 96.2パーセント |
| 年収 | 94.2パーセント |
| 勤続年数 | 93.9パーセント |
| 担保評価 | 91.0パーセント |
| 返済負担率 | 90.9パーセント |
事前審査と本審査で見る範囲の違い
住宅ローンの事前審査は、申込者が申告した内容をもとに借入の見込みを判断する段階です。本審査では、提出された書類と照らし合わせ、物件の担保評価や団体信用生命保険の引き受けまで含めて総合的に判断されます。
つまり本審査では、事前審査では確かめていなかった要素が新たに加わります。健康状態と担保評価はその代表で、いずれも申込者の申告だけでは判断できない項目です。
事前審査に通ったのに本審査で落ちるのは、この新たに加わる要素で引っかかるか、事前審査から本審査までの間に申告内容が変わったかのいずれかです。裏を返せば、この2点に注意していれば、本審査に落ちる不安の大半は解消できます。
返済負担率の基準
返済負担率とは、年収に占める年間の返済額の割合です。住宅ローン以外の借入もすべて合算して計算されます。
住宅金融支援機構のフラット35では、総返済負担率の基準を年収400万円未満で30パーセント以下、400万円以上で35パーセント以下と定めています。すべての借入に関して、年収に占める年間合計返済額の割合という定義です。
民間の金融機関がどの水準を基準にしているかは公表されていませんが、返済負担率を審査項目とする機関が90.9パーセントにのぼることから、どの金融機関でも確認されていると考えてよいでしょう。マイカーローン、教育ローン、カードのリボ払い、携帯端末の分割払いも合算の対象になります。
住宅ローンの事前審査を通ったのに本審査で落ちる理由
本審査で落ちる背景にはいくつかの決まったパターンがあります。いずれも事前に対策を取ることができるものです。
信用情報に変化があった場合
クレジットカードやローンの契約と支払いの状況は、信用情報機関に登録されています。株式会社シー・アイ・シーは、本人を識別する情報、契約内容、支払状況などを保有期間として契約期間中および契約終了後5年以内と定めており、支払状況には異動情報も含まれます。
事前審査のあとに支払いの遅れが発生すると、本審査の時点では信用情報の内容が変わっています。金融機関は本審査でも改めて照会するため、この変化は把握されます。
携帯電話の料金に端末代金の分割払いが含まれている場合、その支払いも信用情報の対象です。普段は意識しにくい支払いほど見落としやすいため、審査期間中は引き落とし口座の残高を事前に確認しておいてください。
収入や勤務の状況が変わった場合
勤続年数は93.9パーセントの機関が審査項目としています。転職すると勤続年数が新たな勤務先での年数に更新されるため、審査の前提が崩れてしまいます。
年収が上がる転職であっても同様です。新しい勤務先での収入は実績として確認できず、金融機関は判断材料を失ってしまいます。転職を検討している場合は、融資が実行されてから動くのが確実です。
残業手当やボーナスの減少で年収の見込みが変わった場合も、返済負担率の計算結果に影響します。事前審査の際に申告した数値と差が生じるため、変化があったときは自分から相談するようにしてください。
申告内容と書類が食い違う場合
本審査では、源泉徴収票、課税証明書、住民票などの公的書類で申告内容を確認します。勤続年数、年収、既存の借入残高などは、書類と照らし合わせることで差異が判明します。
意図的なものでなくても、記憶を頼りに記入した数値が実際と異なっていれば審査に影響します。特に既存の借入は、残高を正確に把握しないまま申告してしまいがちです。
申込みの前に源泉徴収票や返済予定表を元手にあらかじめ手元に用意し、実際の数値を確認しながら記入してください。判断がつかない項目は空欄のまま担当者に確認するほうが、推測で記入するよりも安全です。
物件の担保評価が伸びない場合
担保評価を審査項目とする機関は91.0パーセントです。申込者に問題がなくても、物件側の事情で希望額に届かないことがあります。
建築基準法上の道路に接していない土地、検査済証がない建物、旧耐震基準の中古住宅などは、評価が伸びにくい要素です。中古住宅や土地から検討する場合は、この点も含めて不動産会社に確認しておくとよいでしょう。物件側で確認したい事項は中古住宅購入の注意点をまとめた記事で扱っています。
担保評価が理由で希望額に届かない場合は、自己資金を増やすか物件そのものを見直すことになります。物件を決定する前に事前審査を受けておくことで、こうした判断を早い段階で行えます。
住宅ローンの審査期間中に避けておきたい行動とは?
住宅ローンの事前審査から融資実行までの間は、審査項目に影響を与える行動を控えるのが基本です。いずれも今すぐ行う必要性の低いものばかりです。
転職や雇用形態の変更
勤続年数と収入の安定性に直接影響するため、審査期間中の転職は避けてください。正社員から契約社員への変更、独立や起業も同じです。
やむを得ない事情で転職が決まった場合は、隠さずに金融機関へ伝えてください。申告せずに進めてあとから判明するほうが、より不利な状況を招きます。
融資が実行されたあとであれば、転職しても住宅ローンの契約に影響はありません。時期をずらせるなら、実行後に動くのが確実です。
融資が実行されるまで待ちたいこと
- 転職、退職、独立、雇用形態の変更
- 自動車など高額な買い物のためのローン契約
- 新居用の家具や家電の分割払いでの購入
- クレジットカードの新規申込み
- カードローンやキャッシングの利用
新たな借入とカードの申込み
新しい借入は返済負担率を押し上げます。返済負担率は90.9パーセントの機関が審査項目としているため、影響は直接的です。
見落としやすいのが、新居用に購入する家具や家電の分割払いです。引き渡しの日程が決まると買い揃えたくなりますが、分割払いは新たな借入として扱われます。融資が実行されるまでは現金で購入するか、時期をずらすようにしてください。
クレジットカードの新規申込みについても、信用情報に申込履歴が残ります。審査期間中に短期間で複数申し込むと、資金繰りに困っているという印象を与えかねません。
支払いの遅れ
クレジットカード、携帯電話料金、公共料金、奨学金の返済は、いずれも遅れないようにしてください。信用情報に記録が残ると、審査に影響します。
口座振替に設定していても、口座残高が不足していれば引き落とされません。審査期間中は引き落とし日より前に残高を確認する習慣をつけておくと安心です。
すでに遅れが発生している場合は、まず解消してください。そのうえで、状況を金融機関に伝えて相談するのが現実的な進め方です。
健康状態の告知に関わる変化
健康状態を審査項目とする機関は96.1パーセントにのぼります。多くの住宅ローンでは団体信用生命保険への加入が条件になっており、保険に入れなければ借入自体ができません。
告知の内容は、告知書に記入する時点の健康状態で決まります。審査期間中に新たな診断を受けたり、治療が始まったりすると、告知すべき内容が変わります。
持病がある場合や告知に不安がある場合は、引受条件を緩和したワイド団信などを扱う商品もあります。金利が上乗せされることが多いものの、選択肢として知っておくことで対応策が増えます。健康上の理由で加入できないときは、団体信用生命保険の加入が任意となっている商品を検討する方法もあります。
住宅ローンの本審査に落ちてしまった場合の進め方
本審査に落ちてしまった場合でも、そこで終わりではありません。原因を切り分けることで、次に取るべき行動が見えてきます。
理由を切り分ける
金融機関は否決の具体的な理由を開示しないのが通例です。そのため、自身で確認できる部分から一つずつ確認していきます。
信用情報は、各機関に開示請求すれば自分で確認できます。株式会社シー・アイ・シーの場合、インターネットでの開示と郵送での開示に対応しており、手数料と所要日数はそれぞれ異なります。開示報告書を見れば、支払いの遅れが記録されているかどうかがわかります。
信用情報に問題がない場合は、返済負担率、勤続年数、担保評価のいずれかが理由である可能性が高くなります。借入希望額、年収、物件の条件を照らし合わせ、どの部分に無理があるかを確認してください。
条件を見直して申し込む
返済負担率が原因と考えられる場合は、借入希望額を減額すれば、次の審査で落ちる確率を下げられることがあります。自己資金を増やす、物件の価格帯を見直す、他の借入を先行して返済するといった方法が挙げられます。
金融機関から減額承認が出ることもあります。希望額より少ない金額なら融資できるという回答で、差額を自己資金で埋められるかが判断の分かれ目になります。
短い期間に何社も申し込むのは避けてください。申込みの記録は信用情報に残るため、件数が多いと不利に働くことがあります。理由の見当をつけたうえで、条件の合いそうなところに絞るのが確実です。資金計画そのものを組み直すなら、年収とローンの計算から全体像を整理した記事が参考になります。
時間を置いて整える
信用情報に記録が残っている場合や、勤続年数が足りない場合は、時間が解決する部分があります。株式会社シー・アイ・シーの保有期間は契約期間中および契約終了後5年以内とされているため、記録が消える時期はある程度見通せます。
準備期間は頭金を蓄えるための期間に充てることができます。自己資金が増えれば借入額を抑えることができ、返済負担率にもゆとりが生まれます。
その間は支払いを遅らせないことが何より重要です。新たなネガティブな記録を作らずに期間を過ごすことで、再申込みの際の条件を向上させることができます。
親族からの援助を受ける場合
自己資金を増やす方法として、親や祖父母からの援助を検討される方もいます。住宅取得等資金の贈与には贈与税の非課税制度がありますが、適用の要件と非課税となる限度額は制度の改正で変わります。
援助を受ける際は、贈与なのか借入なのかを明確に区分してください。借入とする場合は、返済条件を記載した書面を作成しておかないと贈与とみなされる場合があります。
また、借入とした場合はその返済も返済負担率の計算に入ります。住宅ローンの審査に影響するため、金融機関には正確に申告してください。税務上の扱いは税務署または税理士にご確認ください。
ヤマダホームズでは、無理のない借入額の算出から、建物と土地を含めた資金計画のご相談まで承っております。実際の間取りや仕様をご確認いただけるモデルハウスを全国にご用意し、皆さまのご来場をお待ちしております。ご興味のある方は、以下のサイトより詳細をご確認ください。

よくある質問
- 事前審査と本審査は同じ金融機関で受ける必要がありますか
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同じ金融機関で受けるのが一般的です。事前審査の結果をもとに本審査へ進む流れになっているためです。ただし、複数の金融機関で事前審査を受けておき、条件を比べてから本審査に進む方法もあります。申込みの記録は信用情報に残るため、数を絞って比較してください。
- 産休や育休の期間中でも住宅ローンは組めますか
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金融機関によって扱いが分かれます。復職が前提であることを確認できる書類の提出を求められたり、復職後の収入で審査されたりすることがあります。夫婦で借りる場合は、どちらの収入をどう見るかも商品によって違います。該当する場合は、申込みの前に条件を確認しておくと計画を立てやすくなります。夫婦での借り方はペアローンのデメリットと回避策をまとめた記事もあわせてご覧ください。
- 奨学金を返済中でも審査に通りますか
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返済中であること自体が否決の理由になるわけではありませんが、返済額は返済負担率の計算に含まれます。残高と毎月の返済額を正確に申告してください。返済に遅れがある場合は信用情報にも記録されるため、まず遅れを解消することが先になります。
- 自営業でも住宅ローンを利用できますか
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利用できます。ただし、会社員とは確認される書類が異なり、確定申告書の控えを複数年分求められるのが一般的です。年によって所得の差が大きい場合は、どの年の数字で判断されるかを確認しておくと見通しが立ちます。必要書類と判断の基準は金融機関ごとに違うため、早めに相談してください。
- 団体信用生命保険に入れない場合はどうすればよいですか
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引受条件を緩和した団体信用生命保険を扱う商品や、加入が任意となっている商品があります。金利が上乗せされたり、別に生命保険で備える必要があったりするため、条件を比べたうえで判断してください。健康状態に不安がある場合は、物件を決める前に金融機関へ相談しておくと、計画を組み直さずに済みます。
- 融資が実行されるまでに気をつけることはありますか
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本審査に通ったあとも、融資が実行されるまでは条件が変わらないようにしてください。金融機関は実行の直前に改めて確認を行うことがあります。転職、新たな借入、支払いの遅れは、実行前であれば影響します。引っ越しや家具の購入は、実行後に予定を組むのが安全です。
まとめ
住宅ローンの本審査では、年収や返済負担率だけでなく、年齢や健康状態、勤続年数、物件の担保評価など、さまざまな項目が確認されます。事前審査に通っていても、審査期間中の転職や新たな借入、支払いの遅れなどによって条件が変われば、本審査で落ちる可能性があります。
融資が実行されるまでは、審査項目に影響する行動を控え、申告内容を正確に保つことが大切です。万が一落ちてしまった場合も、原因を切り分けて条件を見直せば次の道は開けるため、落ち着いて資金計画を立て直しましょう。




