住宅ローン中で残債があっても家を売れる?離婚時や一括返済できない場合の対応まで徹底解説!

住宅ローンが残っている状態でも、家を売ることは可能です。ただし、売却代金で住宅ローン残債を完済し、抵当権を抹消できることが原則となります。売却価格がローン残高を上回るアンダーローンであれば通常の売却手続きで進められますが、下回るオーバーローンの場合は自己資金での補填や任意売却など追加の対応が必要です。

離婚や転勤、家計の見直しなど、ローンが残ってる家を売る理由はさまざまですが、どのケースでも事前準備が成功の鍵を握ります。本記事では、住宅ローン返済中の売却で確認すべき事項から具体的な手続き、高く売るコツまで徹底解説します。

この記事でわかること
  • 売却代金等でローンを完済し、抵当権を抹消すれば売却できる
  • 不足分は自己資金や住み替えローン、任意売却などで対応する
  • ローン残高と複数の査定額を比較し、正確な資金計画を立てる
  • 清掃等で物件の印象を上げ、共有名義なら事前に合意しておく

※この記事に掲載されている価格は、2025年までの相場を参考にしています。昨今の物価高騰に伴い、価格は随時変動する可能性がございます。最新の詳細な価格につきましては、必ず直接店舗までお問い合わせください。

監修者情報

株式会社ヤマダホームズ
スマチエ編集部

これから家を建てたり、購入を検討している方たちは、どんなことを思い、なにを重視しているのでしょうか。ヤマダホームズがまとめた皆様の声や家づくり調査をご紹介します。

監修者情報
河野 由美子

二級建築士・インテリアコーディネーター

河野 由美子

二級建築士・インテリアコーディネーター・防災備蓄収納1級プランナーの資格を有する。住宅設備メーカーや住宅コンサルタント会社、大手リフォーム会社での勤務を経て独立。日常の中に非日常を感じられる空間づくりをコンセプトとし、住宅やオフィス・医療施設・店舗などの設計およびインテリアコーディネートに携わる。
建築インテリア関連記事の企画執筆や監修業務、研修講師、建築関連資格対策テキスト監修、工務店施工事例集ディレクションなどの実績も多数。

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目次

ローンが残ってる家を売る前に必ず確認すること

住宅ローンが残っている家の売却を成功させるには、現状を正確に把握することが欠かせません。確認作業を怠ると、売却後に資金が足りない事態や、手続きの遅れによる違約金発生といったトラブルを招く恐れがあります。ここでは売却活動を始める前に必ずチェックしておくべき5つのポイントを解説します。

住宅ローンの残高と返済条件を正確に把握する

最初に確認すべきは、現時点での住宅ローン残債です。金融機関から届く残高証明書や返済予定表で正確な金額を確認しましょう。インターネットバンキングで確認できる場合もありますが、売却時点での正確な残高や一括返済金額を知るには、金融機関に直接問い合わせるのが確実です。

また、繰上返済時の手数料や違約金の有無も重要な確認事項となります。金融機関や契約内容によっては、固定金利期間中の一括返済に手数料や違約金が発生するケースがあります。変動金利と固定金利では費用負担が異なる場合がありますので、約定書や金融機関への確認を通じて返済条件を事前に把握しておくことで、想定外の出費を防ぐことができます。

抵当権の有無と名義関係を確認する

住宅ローンを借りる際、金融機関は物件に抵当権を設定しています。抵当権とは、返済が滞った場合に金融機関が物件を競売にかけて債権を回収できる権利のことです。この抵当権が残ったままでは、買主に所有権を移転できません。

抵当権の有無は法務局で取得できる登記簿謄本(登記事項証明書)で確認できます。共有名義の場合は全員の同意が必要となるため、配偶者や親族との事前調整が欠かせません。離婚時に売却する場合は、財産分与の合意と並行して名義関係を整理しておくとスムーズに進められます。

想定売却価格を複数の査定で確認する

売却価格がローン残高を上回るか下回るかによって、取るべき対応が大きく変わります。そのため、複数の不動産会社から査定を取り、相場観を正確につかむことが重要です。査定方法には机上査定と訪問査定がありますが、より正確な価格を知りたい場合は訪問査定を依頼しましょう。

査定額には各社でばらつきが生じることがあります。極端に高い査定額を提示する会社には注意が必要で、実際に売れる価格とかけ離れている可能性があります。最低3社以上の査定を比較し、査定根拠の説明が明確な会社を選ぶことで、適正価格での売却につなげられます。

売却にかかる諸費用と税金の概算を出す

売却代金がそのまま手元に残るわけではありません。さまざまな諸費用や税金が発生するため、事前に概算を把握しておく必要があります。主な費用項目と目安は以下のとおりです。

費用項目目安金額備考
仲介手数料売却価格×3%+6万円+消費税法定上限額
抵当権抹消登記費用1万〜2万円程度司法書士報酬含む
繰上返済手数料0円〜数万円金融機関・契約による
印紙税1万〜6万円売買契約書の金額による
譲渡所得税利益が出た場合のみ3,000万円特別控除あり

これらの費用を売却代金から差し引いた金額がローン残債を上回るかどうかを計算し、資金計画を立てることが大切です。

売却の目的と希望スケジュールを明確にする

なぜ家を売るのか、いつまでに売りたいのかを明確にしておくと、適切な売却方法を選びやすくなります。転勤や子どもの進学など売却希望時期に期限がある場合は、売り先行で早期売却を優先すべきでしょう。一方、住み替え先を先に確保したい場合は買い先行を検討します。

売却理由と期限を不動産会社に正直に伝えることで、最適な販売戦略を提案してもらえるメリットがあります。離婚による売却の場合は、財産分与の協議状況に影響を受けるため、こまめに進捗状況を共有しておくと、スケジュール調整がしやすくなります。

ローンが残ってる家を売るときの主な売却方法と選び方

住宅ローン残債と売却価格の関係によって、選べる売却方法が異なります。ここでは、アンダーローンからオーバーローンまで、状況別の売却方法とその特徴を詳しく解説します。自分の状況に合った方法を選ぶことで、無理のない売却計画を立てられます。

アンダーローンの場合の通常売却の流れとポイント

売却価格が住宅ローン残債を上回るアンダーローンの状態であれば、通常の売却手続きで進められます。売却代金でローンを一括返済し、抵当権を抹消したうえで買主に引き渡すという流れです。

通常売却の基本的な流れは以下のとおりです。

  • 複数の不動産会社に査定を依頼し、相場を把握する
  • 信頼できる不動産会社と媒介契約を結ぶ
  • 販売活動を開始し、内覧対応を行う
  • 買主が見つかったら売買契約を締結する
  • 決済日に売却代金を受け取り、同時にローンを一括返済する
  • 抵当権抹消登記と所有権移転登記を行い、引き渡し完了

決済日当日に売却代金の受領とローン完済、抵当権抹消を同時に行うため、事前に金融機関へ繰上返済の申し込みをしておく必要があります。通常、申し込みから実行まで2週間〜1か月程度かかるため、余裕を持ったスケジュール調整が重要です。

オーバーローンでも使える住み替えローンやつなぎ融資の特徴

売却価格がローン残債を下回るオーバーローンの場合でも、住み替えローン(買い替えローン)を活用すれば売却が可能です。住み替えローンとは、新居の購入資金に旧居のローン残債分を上乗せして借り入れる仕組みです。

たとえば、旧居の売却で200万円の残債が残る場合、新居購入価格3,000万円に200万円を加えた3,200万円を借り入れる形となります。二重ローンを回避できる一方で、住み替えローンは借入額が大きくなるため、金融機関の審査が厳しくなる傾向があります。安定した収入と良好な返済履歴が求められるでしょう。

また、売却と購入のタイミングを調整するために「つなぎ融資」を利用する方法もあります。新居の購入代金を一時的に借り入れ、旧居の売却代金で返済する仕組みです。ただし、つなぎ融資は金利が高めに設定されているため、売却が長引くと負担が増える点に注意が必要です。

自己資金や親族援助で不足分を補う方法の注意点

オーバーローンの状態で売却する場合、不足分を自己資金で補填する方法があります。預貯金や退職金、株式の売却益などを充てるケースが一般的です。親族からの援助を受ける場合は、贈与税の課税対象となる可能性があるため注意が必要です。

年間110万円を超える贈与には贈与税がかかりますが、住宅取得資金の贈与については一定の非課税枠が設けられている場合があります。親族援助を受ける際は、税理士や金融機関に相談して贈与税の取り扱いを確認しておくことをおすすめします。

また、自己資金を使い切ると、引っ越し費用や新生活の初期費用が不足する恐れがあります。売却後の生活資金も含めた資金計画を立てることが大切です。

任意売却の仕組みと利用条件とリスク

住宅ローンの返済が困難になり、自己資金での補填も難しい場合は「任意売却」という選択肢があります。任意売却とは、金融機関の同意を得て、残債がある状態でも抵当権を解除してもらい売却する方法です。

項目任意売却競売
売却価格市場価格に近い市場価格の5〜7割程度
手続きの主導権売主側にある裁判所が主導
プライバシー通常の売却と同様公告されるため周囲に知られる
残債の交渉分割返済の協議が可能一括請求される場合あり
引っ越し時期ある程度調整可能強制執行の可能性あり

任意売却は競売を回避するための有効な手段ですが、金融機関の同意が得られなければ実行できません。返済に行き詰まったら、できるだけ早い段階で金融機関や専門家に相談することが重要です。滞納が続くと競売手続きが開始されてしまうため、早期対応が成功の鍵を握ります。

不動産会社による買取のメリットとデメリット

仲介による売却ではなく、不動産会社に直接買い取ってもらう「買取」という方法もあります。買取は仲介に比べて売却までのスピードが早く、確実に売れるというメリットがあります。

  • 最短1週間〜1か月程度で現金化できる
  • 内覧対応や販売活動の手間がかからない
  • 仲介手数料が不要(買取会社との直接取引のため)
  • 契約不適合責任を免除されるケースが多い

一方で、買取価格は市場価格の7〜8割程度になることが一般的です。ローン残債が多い場合、買取価格では完済できずオーバーローンになってしまう可能性があります。時間に余裕がある場合は、まず仲介での売却を試み、売れない場合に買取を検討するという順序がおすすめです。

ローンが残ってる家を売るときの具体的手続きと高く売るコツ

売却方法が決まったら、次は具体的な手続きを進める段階です。適切な手続きと効果的な販売戦略によって、より高く、よりスムーズに売却することが可能になります。ここでは、媒介契約から決済までの流れと、売却価格を上げるためのポイントを解説します。

媒介契約から決済・抵当権抹消までの手続きとタイミング

不動産会社に売却を依頼する際は、媒介契約を結びます。媒介契約には「専属専任媒介」「専任媒介」「一般媒介」の3種類があり、それぞれ特徴が異なります。

種類複数社への依頼自己発見取引報告義務
専属専任媒介不可不可週1回以上
専任媒介不可2週間に1回以上
一般媒介義務なし

専任媒介か専属専任媒介を選ぶと、不動産会社が積極的に販売活動を行ってくれる傾向があります。契約期間は通常3か月で、期間内に売れなければ契約を更新または他社に変更することも可能です。

買主が決まったら売買契約を締結し、手付金(売買価格の5〜10%程度)を受け取ります。その後、決済日に残代金を受領し、同日中に住宅ローンの一括返済と抵当権抹消登記、所有権移転登記を行います。これらの手続きは司法書士が代行するのが一般的です。

査定額を上げるための内覧対策と写真の撮り方

売却価格を少しでも高くするためには、物件の第一印象を良くすることが重要です。購入検討者の多くは、インターネットの物件情報で写真を見てから内覧を決めます。

写真撮影時のポイントは以下のとおりです。

  • 晴れた日の日中に撮影し、明るい印象を与える
  • 部屋の隅から広角で撮影し、広さを伝える
  • 不要な家具や物を片付け、すっきりとした空間を見せる
  • 水回りは清潔感を重視し、特に念入りに掃除する

内覧時は、換気をして空気を入れ替え、照明をすべて点けて明るい雰囲気を作りましょう。玄関や水回りの清潔感は購入意欲に直結するため、ハウスクリーニングを入れるのも効果的です。費用対効果を考えると、5〜10万円程度のクリーニング費用で数十万円以上の価格アップにつながる可能性があります。

価格交渉で有利にする戦略と仲介会社の選び方

売却価格の設定は、相場よりやや高めからスタートするのが一般的です。値引き交渉の余地を残しつつ、相場から大きく外れない価格設定が重要となります。事前に売却可能な最低価格ラインを決めておくと、交渉の場で冷静な判断がしやすくなります。

売却実績の多い会社は購入希望者のリストを持っていることが多く、早期成約につながりやすい傾向があります。複数社の担当者と面談し、相性や提案内容を比較して選ぶことをおすすめします。

売却時に発生する税金と節税できるケース

家を売って利益(譲渡所得)が出た場合、譲渡所得税がかかります。ただし、マイホームの売却には「3,000万円の特別控除」が適用されるケースが多く、実際に課税されるケースは限定的です。

項目計算式
譲渡所得売却価格 −(取得費 + 譲渡費用)
課税譲渡所得譲渡所得 − 特別控除(最大3,000万円)
税額課税譲渡所得 × 税率(所有期間による)

離婚や共有名義、賃貸転用など特殊事情への対応方法

離婚時に家を売却する場合、財産分与の対象となる財産の範囲を明確にしておく必要があります。結婚後に購入した家は原則として夫婦の共有財産となり、名義にかかわらず分与の対象です。一方、結婚前に購入した家や、相続・贈与で取得した家は対象外となります。

共有名義の場合は、売却に全員の同意が必要です。離婚協議と並行して売却を進める場合は、以下の点を事前に取り決めておきましょう。

  • 売却代金からローン残債と諸費用を差し引いた手取り額の分配比率
  • オーバーローンの場合の残債負担の割合
  • 売却活動の窓口となる担当者(どちらか一方または弁護士)
  • 売却が成立するまでの居住者と費用負担

財産分与については、離婚前に合意しておくことで売却手続きをよりスムーズに進められます。離婚後に財産分与の協議が長引くと売却手続きが停滞するリスクがあるため、できる限り離婚協議と並行して合意形成を進めることが望ましいでしょう。また、転勤などで一時的に賃貸に出していた物件を売却する場合は、住宅ローンの契約条件を事前に確認しておくことをおすすめします。

よくある質問

住宅ローンが残っていても家は本当に売れますか?

はい、住宅ローンが残っていても家を売ることは可能です。ただし、売却代金でローンを完済し、抵当権を抹消することが条件となります。売却価格がローン残債を上回る「アンダーローン」であれば問題なく売却できます。下回る「オーバーローン」の場合でも、自己資金での補填や住み替えローン、任意売却などの方法で対応できます。

ローンが残ってる家を売るとき、銀行に連絡は必要ですか?

必ず連絡が必要です。売買契約の締結後、速やかに金融機関に相談し、繰上返済の手続きや抵当権抹消に必要な書類の準備を依頼してください。決済日に合わせて一括返済を行うため、決済日の10日〜2週間前を目安に申し込みを済ませておくことが重要です。オーバーローンで任意売却を検討する場合は、金融機関の同意が不可欠となります。

離婚時にローンが残っている家を売る場合、財産分与はどうなりますか?

結婚後に購入した家は原則として財産分与の対象となり、名義にかかわらず夫婦で分けることになります。売却代金からローン残債と諸費用を差し引いた手取り額をどう分配するかを協議するのが一般的です。オーバーローンの場合は、残債をどう負担するかも含めて話し合いが必要です。合意内容は書面に残しておくとトラブル防止につながります。

オーバーローンで自己資金もない場合はどうすればよいですか?

住み替えローンの利用を検討するか、返済が困難な状況であれば任意売却を選択肢に入れてください。任意売却は金融機関の同意を得て、残債がある状態でも売却できる方法です。競売より高値で売れる傾向があり、残債については分割返済の協議ができます。早期に専門家へ相談することが重要です。

家を売却したときの税金はいくらかかりますか?

売却で利益(譲渡所得)が出た場合に譲渡所得税がかかります。マイホームの売却には一定の特別控除が適用される場合があり、控除を受けるには確定申告が必要です。税額は所有期間や売却益によって異なるため、詳細については税理士や税務署に相談することをおすすめします。

まとめ

ローンが残ってる家を売ることは、正しい手順を踏めば十分に実現可能です。まずは住宅ローン残債と売却想定価格を比較し、アンダーローンかオーバーローンかを把握することが出発点となります。アンダーローンであれば通常の売却手続きで進められますが、オーバーローンの場合は住み替えローンや自己資金での補填、状況によっては任意売却といった選択肢を検討する必要があります。

売却を成功させるためには、複数の不動産会社から査定を取り、適正な売却価格を把握することが重要です。内覧対策や写真撮影にも気を配り、物件の魅力を最大限にアピールしましょう。離婚時の売却や共有名義の場合は、関係者との事前合意を取り付けておくことで、手続きがスムーズに進みます。

住宅ローンが残っている状態での売却は複雑に感じるかもしれませんが、専門家のサポートを受けながら一つずつ進めていけば、必ず道は開けます。まずは信頼できる不動産会社に相談し、あなたの状況に合った最適な売却プランを立てることから始めてみてください。

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