注文住宅の平均価格はいくら?最新統計で見る費用の内訳

注文住宅の価格を調べていると、記事によって「相場3,000万円台」「総額5,000万円超」など、書かれている数字にばらつきがあることに気づかれるかもしれません。これは、どの統計を参照しているか、土地の取得を含めているかどうかで、示される金額が変わってくるためです。

そこでこの記事では、住宅金融支援機構「フラット35利用者調査」と、国土交通省「住宅市場動向調査」という二つの公的な統計をもとに、注文住宅の価格が全国平均でどれくらいなのか、土地の有無や地域でどう変わるのかを整理してご紹介します。工事項目ごとの費用の内訳については、総費用の内訳と各項目の目安をまとめた記事で解説していますので、あわせてご参照ください。

この記事でわかること
  • フラット35利用者調査(2025年度)の全国平均では、注文住宅の所要資金が4,259.8万円、土地を新たに取得する場合は5,313万円ほどになっている
  • 国土交通省の住宅市場動向調査(令和6年度)では平均6,188万円、中央値5,030万円で、調査によって数字の見え方が変わる
  • 土地の有無や建てる地域によって、同じ「注文住宅」でも数百万円から1,000万円以上の差が生じ得る

※この記事に掲載されている価格は、2026年までの相場を参考にしています。昨今の物価高騰に伴い、価格は随時変動する可能性がございます。最新の詳細な価格につきましては、必ず直接店舗までお問い合わせください。

監修者情報

株式会社ヤマダホームズ
スマチエ編集部

これから家を建てたり、購入を検討している方たちは、どんなことを思い、なにを重視しているのでしょうか。ヤマダホームズがまとめた皆様の声や家づくり調査をご紹介します。

監修者情報
河野 由美子

二級建築士・インテリアコーディネーター

河野 由美子

二級建築士・インテリアコーディネーター・防災備蓄収納1級プランナーの資格を有する。住宅設備メーカーや住宅コンサルタント会社、大手リフォーム会社での勤務を経て独立。日常の中に非日常を感じられる空間づくりをコンセプトとし、住宅やオフィス・医療施設・店舗などの設計およびインテリアコーディネートに携わる。
建築インテリア関連記事の企画執筆や監修業務、研修講師、建築関連資格対策テキスト監修、工務店施工事例集ディレクションなどの実績も多数。

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目次

注文住宅の全国平均価格

家の模型と電卓・日本円の硬貨を並べた白い机、接写

「注文住宅の平均価格」を考えるときは、まずどの調査の、どの区分の数字を見ているのかを押さえておくと、金額の違いに惑わされにくくなります。ここでは代表的な二つの統計を取り上げます。

フラット35利用者調査が示す所要資金

住宅金融支援機構が公表しているフラット35利用者調査は、住宅ローン「フラット35」を利用して住宅を取得した世帯を対象にした調査です。フラット35の仕組みをあわせて確認しておくと、対象がどのような世帯かをイメージしやすくなります。

2025年度の調査では、注文住宅を建てた世帯の建設費は全国平均で4,259.8万円。前年度の3,932.1万円から8.3%上昇しています。この区分は土地をすでに所有している世帯が中心のため、土地取得費の全国平均は2.3万円とほとんど計上されておらず、建設費と土地取得費を合わせた所要資金は4,262.1万円です。

土地を新たに取得して注文住宅を建てた世帯(土地付注文住宅)に限ると、建設費は3,737.6万円、土地取得費は1,575.3万円で、合計すると5,313万円ほどになります。前年度の合計(5,007万円ほど)と比べて上昇しています。

なお、フラット35を利用した注文住宅世帯の平均世帯年収は718.9万円でした。ご自身の年収に対して無理のない資金計画かどうかは、住宅購入の年収目安を解説した記事もあわせてご確認ください。

住宅市場動向調査が示す住宅取得資金

国土交通省が実施する住宅市場動向調査は、フラット35の利用に限らず、住み替えや建て替えを行った世帯を広く対象にした調査です。令和6年度の調査では、土地を購入して注文住宅を新築した世帯の住宅購入資金は、全国平均で6,188万円、中央値で5,030万円となりました。令和5年度の平均(5,811万円)と比べて377万円増えています。

フラット35利用者調査の土地付注文住宅(5,313万円ほど)と、住宅市場動向調査の平均(6,188万円)を並べると差が大きく見えますが、これは対象世帯の違いによるところが大きいと考えられます。フラット35利用者調査は住宅ローンを利用した世帯に限られるのに対し、住宅市場動向調査はより幅広い世帯を対象にしているため、どちらか一方だけが「正解」というわけではなく、両方を参考値として捉えることが大切です。

注文住宅に関する二つの統計調査の比較
調査名実施主体対象時期全国平均の資金額集計の対象
フラット35利用者調査住宅金融支援機構2025年度所要資金4,259.8万円(土地付は5,313万円ほど)フラット35を利用した世帯
住宅市場動向調査国土交通省令和6年度住宅購入資金6,188万円(中央値5,030万円)土地を購入して注文住宅を新築した世帯

土地の有無による価格の違い

同じ「注文住宅」でも、すでに土地を持っている場合と、これから土地を取得する場合とでは、必要になる総額が大きく変わります。

建設費だけで住宅を建てる場合

フラット35利用者調査の「注文住宅」区分には、土地をすでに所有していて建物のみを建てた世帯が多く含まれています。この区分の全国平均は、建設費が4,259.8万円、住宅面積は118.4㎡でした。

土地を新たに取得する場合の総額

一方、土地を新たに取得して注文住宅を建てた「土地付注文住宅」の区分では、建設費3,737.6万円に土地取得費1,575.3万円が加わり、合計は5,313万円ほどになります。住宅面積は110.3㎡と、土地を新たに取得する世帯の方がやや小さめの住宅を選ぶ傾向がうかがえます。

土地の有無別に見る資金の内訳(フラット35利用者調査2025年度、全国平均)
区分建設費土地取得費合計の目安住宅面積
注文住宅(土地をすでに所有する世帯を含む)4,259.8万円2.3万円4,262.1万円118.4㎡
土地付注文住宅(土地を新たに取得)3,737.6万円1,575.3万円5,313万円ほど110.3㎡

近年の価格の推移

注文住宅の価格は、ここ数年でどのように変化してきたのでしょうか。

フラット35調査に見る年ごとの伸び

フラット35利用者調査では、注文住宅の所要資金は2024年度の3,932.1万円から2025年度は4,259.8万円へと、1年間で8.3%上昇しました。土地付注文住宅も、建設費・土地取得費とも前年度より増えています。住宅市場動向調査でも、令和5年度から令和6年度にかけて注文住宅(土地購入あり)の平均が377万円上昇しており、二つの統計で同じ方向の動きが見られます。

価格上昇の背景として考えられる要因

価格が上昇している背景としては、建築資材や人件費の動向、住宅設備の高機能化などが要因として挙げられることが一般的です。ただし、どの要因がどの程度影響しているかは個々の住宅によって異なります。

地域による価格差

グラフが表示されたノートPCと資料、木のデスク、引き(物のみ)

注文住宅の価格は、建てる地域によっても差があります。

三大都市圏と地方圏の違い

フラット35利用者調査(2025年度)によると、三大都市圏の所要資金は4,527.8万円、その他地域は4,012.6万円で、515万円ほどの差があります。首都圏に限ると4,761.5万円と、全国平均をさらに上回ります。

敷地面積の違いが総額に及ぼす影響

この差の背景には、敷地面積の違いがあります。三大都市圏の平均敷地面積は250.2㎡である一方、その他地域は397.1㎡と、地方の方が広い土地に建てる世帯が多くなっています。都市部では同じ建物を建てる場合でも土地の取得費用がかさみやすいため、建設費そのものの差以上に総額の開きが生まれやすいと考えられます。

地域別に見る所要資金の違い(フラット35利用者調査2025年度、注文住宅)
地域所要資金敷地面積
全国4,259.8万円326.6㎡
三大都市圏4,527.8万円250.2㎡
首都圏4,761.5万円233.2㎡
その他地域4,012.6万円397.1㎡

全国平均と坪単価の関係

ここまで見てきた金額は、あくまで全国平均です。実際にハウスメーカーを検討する際は、坪単価という指標で比較されることも多いので、参考までに確認しておきましょう。

フラット35利用者調査の建設費と住宅面積から坪単価を試算すると、注文住宅(全体)では1坪あたり約119万円、土地付注文住宅では約112万円になります。

ただし、坪単価は算出方法や含まれる工事範囲が会社によって異なります。同じ坪単価という言葉でも、建物本体の工事費だけで計算している場合と、付帯工事費まで含めて計算している場合があるため、数字だけを切り取って比較すると実態とずれます。実際の総額は間取りや仕様、土地の条件によって変わりますので、比較する際は坪単価に何が含まれているかまでそろえて確認してください。

全国的な価格の傾向を踏まえたうえで、実際の暮らしや空間をイメージしていただくには、モデルハウスでの体感が近道です。当社では全国各地に住宅展示場をご用意しており、資金計画のご相談もあわせて承っています。

よくある質問

建設費の金額だけで、ハウスメーカーの価格を比較してよいですか

建設費に含まれる工事の範囲は会社によって異なります。付帯工事費や設計料が別立てになっている場合もあるため、見積もりの総額と、その内訳に何が含まれているかを確認し、同じ項目内容で比較することをおすすめします。

統計の平均額と実際に受け取った見積もりの金額が大きく違う場合、何を確認すればよいですか

統計の平均額は、延べ床面積や仕様、地域が異なるさまざまな世帯の数字をならしたものです。見積もりとの差が気になる場合は、面積や設備の仕様、土地の条件が平均とどう違うのかを確認すると、差が生まれている理由が見えてくることがあります。

フラット35を利用せず、現金や他のローンで建てる場合もこの平均額は参考になりますか

フラット35利用者調査は、フラット35を利用した世帯のデータをまとめたものです。資金の集め方が異なる世帯でも、建設費や土地取得費のおおまかな傾向をつかむ目安としては参考にしていただけますが、ご自身の資金計画は年収や自己資金の状況にあわせて個別に検討することをおすすめします。

まとめ

注文住宅の価格は、参照する統計や、土地の有無、建てる地域によって、示される金額が数百万円から1,000万円以上変わります。金額を調べる際は、どの調査の、どの条件の数字なのかをあわせて確認すると、実態に近い金額感をつかみやすくなります。

気になる金額があれば、その内訳や条件を照らし合わせながら、ご自身の家づくりに置き換えて考えてみてください。

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