間取りの打ち合わせに入る前に「35坪の広さでどこまで実現できるか」を知っておきたい方は少なくありません。部屋数は増やそうと思えば詰め込めますが、1部屋ごとが窮屈になり、家事動線のスムーズさも損なわれてしまいます。
この記事では、35坪という広さが注文住宅の中でどのような立ち位置にあるのかを確認したうえで、2階建てと平屋それぞれの間取りの組み立て方、家事動線と部屋数のバランスの取り方を解説します。
- 35坪は約115.7平方メートルで、注文住宅の住宅面積の中央値111.4平方メートルと平均118.4平方メートルの間にあたる
- 2階建てなら1階18坪前後・2階17坪前後の配分が組みやすく、4LDKに無理なく収まる
- 総二階にすると1階と2階の面積がそろい、屋根と基礎の面積を抑えられる
- 同じ35坪でも平屋にすると建築面積が倍近くになり、必要な敷地の広さが変わる
- 家事動線は、洗う・干す・しまうの3つをつなぐ経路を先に決めると組み立てやすい
- 部屋数を増やすほど1室あたりは狭くなるため、将来仕切る前提で1室を広く取る方法もある
35坪という広さ

まずは35坪が実際にどのくらいの広さなのかを、他の単位と実績値に置き換えて確かめます。
平方メートルと畳数に置き換える
1坪は約3.31平方メートルのため、35坪はおよそ115.7平方メートルです。1坪は畳2枚分に相当するため、畳数に換算すると約70畳となります。
なお、この数値は壁の厚みや廊下、階段、収納、水回りを含んだ「延床面積」です。実際に居室として使える面積はこれより小さくなるため、部屋数を検討する際は注意が必要です。
注文住宅の平均に近い標準的なサイズ
住宅金融支援機構の2025年度フラット35利用者調査によると、注文住宅3,889件の住宅面積は中央値111.4平方メートル、平均118.4平方メートルでした。35坪(約115.7平方メートル)は、この中央値と平均のちょうど中間に位置します。
同調査の分布では、115平方メートル未満が3,889件中2,173件と全体の約56%を占めています。このことから、35坪は注文住宅として非常に標準的な広さといえます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 35坪を平方メートルに換算 | 約115.7平方メートル |
| 35坪を畳数に換算 | 約70畳 |
| 注文住宅の住宅面積の中央値 | 111.4平方メートル(約33.7坪) |
| 注文住宅の住宅面積の平均 | 118.4平方メートル(約35.8坪) |
35坪の2階建ての間取り
35坪の住宅は、多くが2階建てとして計画されます。まずは階ごとの面積配分から見ていきましょう。
1階と2階の面積配分
2階建ての場合、1階を18坪前後、2階を17坪前後とする配分が一般的です。1階にはLDKや水回り、玄関を配置するため、2階よりも広い面積が必要になります。
1階が狭すぎるとLDKや水回りの圧迫感につながるため、まずは1階に必要な面積を確保してから2階の間取りを決める順番をおすすめします。2階に主寝室と子ども部屋を配置する場合、必要な面積は部屋数から逆算できます。
4LDKなら余裕をもって配置可能
35坪あれば、4LDKの間取りを無理なく計画できます。1階に16〜20畳のLDKと水回り、2階に主寝室(8畳)と子ども部屋(6畳×2室)に加え、もう1室を確保するのが標準的なレイアウトです。
1階に和室や畳スペースを設ける場合は、LDKや2階の居室の広さを調整します。1階に個室を1室用意しておくと、来客用としてはもちろん、将来的に寝室として活用することも可能です。
| 階 | 面積の目安 | 主な構成 |
|---|---|---|
| 1階 | 18坪前後(約59平方メートル) | LDK16畳から20畳、玄関・土間収納、洗面・浴室・洗濯、トイレ、階段 |
| 2階 | 17坪前後(約56平方メートル) | 主寝室8畳、子ども部屋6畳×2室、もう1室、トイレ、収納、階段ホール |
「総二階」にするメリット(コスト・構造面)
1階と2階の面積や形状をそろえた構造を「総二階」と呼びます。上下階の柱や壁の位置が一致するため構造的に安定しやすく、耐力壁の配置計画もスムーズに行えます。さらに、1階の面積が大きい形と比べて屋根や基礎の施工面積を抑えられるため、コスト面でも有利です。
外観が箱型でシンプルになりやすいという面もありますが、外壁の張り分けや窓の配置、アプローチデザインなどの工夫で洗練された印象に仕上げられます。
35坪の平屋の間取り
同じ35坪でも、平屋で建てる場合は2階建てとは前提条件が大きく異なります。
敷地面積の要件が変わる
2階建てであれば建築面積は18坪前後で済みますが、平屋の場合は115.7平方メートル(約35坪)がそのまま建築面積となります。建ぺい率50%の地域で35坪の平屋を建てる場合、およそ231平方メートル(約70坪)の敷地が必要になります。
さらに駐車場や庭のスペースも考慮する必要があるため、土地探しからのスタートであれば必要な予算感も大きく変わります。2階建てと平屋で迷っている場合は、土地費用も含めて比較検討しましょう。
ワンフロアならではのゆとりある空間設計
平屋は階段や2階ホールなどの移動スペースが不要なため、その分を居室や収納に充てられます。35坪あれば、4LDKに加えてファミリークローゼットや書斎などを組み込む余裕が生まれます。
一方で、建物が広くなるほど中央部分に採光が行き届きにくくなる傾向があります。中庭(パティオ)の設置や天窓・高窓の活用、建物をL字型やコの字型にするなどの設計工夫を取り入れると効果的です。
家事動線と部屋数のバランスを保つポイント

十分な床面積があっても、動線や収納の配置が不適切だと暮らしにくさを感じてしまいます。35坪の住まいづくりで抑えておきたい3つの重要ポイントをご紹介します。
1. 「洗う・干す・しまう」の洗濯動線を一直線につなぐ
洗濯は「洗う」「干す」「畳む・収納する」という一連の作業が発生します。これらの場所が離れていると毎日の移動負担が増えてしまいます。
洗面脱衣室に室内物干しスペースを設置し、その隣にファミリークローゼットを配置すると、洗濯に関する作業が一箇所で完結します。35坪の広さがあれば、こうした効率的な家事スペースも無理なく導入できます。
2. 回遊動線を取り入れて移動をスムーズにする
通路が行き止まりになっていると、混雑時や移動の際に行き違いが生じやすくなります。「キッチン→パントリー→洗面室」のように通り抜けられる動線や、「玄関→土間収納→室内」という裏動線をつくることで、生活動線が劇的にスムーズになります。
ただし、出入り口を増やしすぎると壁面が減り、家具の配置が難しくなる点には注意が必要です。回遊動線は1〜2箇所に絞って導入するのがポイントです。
3. 将来のライフスタイルの変化を見据えた部屋数設計
部屋数を増やしすぎると、1室あたりの広さが圧迫されます。子どもが小さいうちは1つの大きな部屋として使い、成長に合わせて仕切る手法もおすすめです。あらかじめドア、窓、照明、コンセントを2部屋分用意しておけば、将来的に間仕切り壁を設けるだけで簡単に分割できます。
また、収納スペースの配置計画も重要です。各部屋に個別で収納を作るのか、大型ファミリークローゼットに集約するのかによっても必要な面積が異なります。
同じ35坪でも、配分と動線の取り方で住み心地は変わります。ヤマダホームズでは全国に住宅展示場をご用意しており、実際の建物をご覧いただきながら、35坪の部屋の配分や動線について担当者にご相談いただけます。

よくある質問
- 35坪で5LDKは取れますか
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取れますが、1室あたりは狭くなります。LDKを16畳程度に抑え、個室を4.5畳から6畳で組めば成立します。ただし部屋数が増えるほど廊下と扉が増え、実際に使える面積は目減りします。5室すべてを常時使うのか、将来の予備なのかを整理してから決めることをおすすめします。
- 35坪の家に必要な土地はどのくらいですか
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2階建てか平屋かで大きく変わります。2階建てで建築面積が18坪前後なら、建ぺい率50%の土地で36坪前後が最低限必要な計算です。平屋にすると建築面積が35坪近くになり、同じ建ぺい率では70坪前後が必要になります。駐車場と庭の分は別に見込んでください。
- 吹き抜けを作ると居室が減りますか
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吹き抜けの面積分だけ2階の床がなくなりますので、その分の居室は取れなくなります。35坪で吹き抜けを設ける場合は、2階の部屋数を1室減らすか、各室を小さくする調整が必要です。開放感と部屋数のどちらを優先するかを、計画の初期に決めておいてください。
- 階段はどこに置くのがよいですか
-
リビングの中に置くか、玄関ホールから上がるかで動線が変わります。リビング階段は家族が顔を合わせやすい反面、冷暖房の効率や音の伝わり方に配慮が要ります。玄関ホールから上がる形は各室の独立性が高くなります。どちらが良いかは暮らし方によりますので、生活時間帯の違いも含めて検討してください。
まとめ
35坪(約115.7㎡)は、注文住宅の平均的な広さであり、非常にバランスの取りやすいサイズ感です。2階建てであれば4LDKをゆったり配置でき、総二階設計を取り入れることでコストや構造面のメリットが得られます。
同じ35坪を平屋にすると建築面積が倍近くになり、建ぺい率50%の土地では70坪前後の敷地が必要です。広さが確保できても、洗う・干す・しまうをつなぐ動線と収納の位置が合っていなければ暮らしにくくなります。部屋数は将来の変化まで見込んで決め、必要になったときに仕切れる形にしておくと、長く使える間取りになります。



