家を建てるのにかかる費用はどれくらい?必要な資金と考え方を紹介

家を建てるときに最初に気になるのは「いくらかかるのか」という点です。しかし、この平均額がそのまま自分たちの予算になるわけではありません。地域による金額差が大きいうえに、建物にかかる費用は本体工事費だけにとどまりません。

費用総額をつかめないまま打合せを進めてしまうと、見積書に項目が増えていくたびに資金計画を組み直すことになりかねません。そこでこの記事では、公的統計で確認できる建築費の水準や地域差、構造による違いをはじめ、本体工事費以外にかかる費用や失敗しない資金計画の立て方まで、家を建てる費用の全体像を分かりやすく解説します。

この記事でわかること
  • 土地を購入して注文住宅を建てる場合の建設費と土地取得費の合計は、全国平均で5,312万円(2025年度)
  • すでに土地をお持ちの方の建設費は全国平均で4,259万円となり、首都圏とその他地域では約750万円の差がある
  • 持家一戸建ての1坪あたりの工事費は、木造が約86万円、鉄骨造が約122万円、鉄筋コンクリート造が約135万円(届出ベース)
  • 本体工事費のほかに外構・地盤改良・諸経費が必要となり、住宅ローンで賄いにくい現金支出も含まれる
  • 実態として、利用者の手持金は所要資金の1割前後、総返済負担率は2割台半ばが平均的である

※この記事に掲載されている価格は、2026年までの相場を参考にしています。昨今の物価高騰に伴い、価格は随時変動する可能性がございます。最新の詳細な価格につきましては、必ず直接店舗までお問い合わせください。

監修者情報

株式会社ヤマダホームズ
スマチエ編集部

これから家を建てたり、購入を検討している方たちは、どんなことを思い、なにを重視しているのでしょうか。ヤマダホームズがまとめた皆様の声や家づくり調査をご紹介します。

監修者情報
河野 由美子

二級建築士・インテリアコーディネーター

河野 由美子

二級建築士・インテリアコーディネーター・防災備蓄収納1級プランナーの資格を有する。住宅設備メーカーや住宅コンサルタント会社、大手リフォーム会社での勤務を経て独立。日常の中に非日常を感じられる空間づくりをコンセプトとし、住宅やオフィス・医療施設・店舗などの設計およびインテリアコーディネートに携わる。
建築インテリア関連記事の企画執筆や監修業務、研修講師、建築関連資格対策テキスト監修、工務店施工事例集ディレクションなどの実績も多数。

...続きを読む

目次

家を建てるにはどれくらいの費用がかかる?

まずは、家を建てる費用の全体水準を把握しましょう。2025年度の調査結果によると、土地付注文住宅の全国平均は建設費が3,737.6万円、土地取得費が1,575.3万円で、合計5,312.9万円でした。これに対して、土地を購入せず建物のみを建てた注文住宅の建設費は、全国平均で4,259.8万円となっています。

なお、ここでは住宅金融支援機構による「フラット35利用者調査」のデータを参照しています。

土地を買う場合と既に土地を持っている場合で大きく異なる

当然のことではありますが、すでに土地をお持ちの方のほうが、建設費自体は500万円ほど高くなる傾向にあります。土地代の負担がない分、建物の仕様や設備に資金をかけられるためで、住宅面積も土地付注文住宅の110.3㎡(約33.4坪)に対して118.4㎡(約35.8坪)と広くなっています。土地から探して家を建てる場合は、土地費用と建物費用のバランスを考慮しながら総額の予算を決定することが求められます。

地域によって建築費には差がある

建築費は建築する地域によっても大きく異なります。2025年度の注文住宅(土地購入なし)の建設費を地域別に見ると、首都圏が4,761.5万円と最も高く、その他地域が4,012.6万円と最も低い結果になりました。

地域建設費(土地の購入なし)住宅面積土地付注文住宅の建設費+土地取得費
全国4,259.8万円118.4㎡5,312.9万円
首都圏4,761.5万円121.6㎡6,404.3万円
近畿圏4,269.8万円117.5㎡5,486.0万円
東海圏4,348.8万円121.0㎡5,324.6万円
その他地域4,012.6万円116.5㎡4,750.8万円

特に大きな差が見られるのは、土地も含めた総額です。首都圏の6,404.3万円とその他地域の4,750.8万円では1,600万円以上の開きがあり、その大半は地価の違いによる土地取得費の差に起因していると考えられます。実際に、地価が高い首都圏の土地取得費が2,590.0万円であるのに対し、その他地域では1,016.5万円にとどまっています。

なお、建設費自体に地域差が生じる要因としては、人件費や資材搬入費の違いに加え、都市部では敷地が狭小で施工環境が制約されやすいことなどが挙げられます。同じ間取りであっても、隣地との距離や道路状況などの現場環境によって工事費用が変動します。

家を建てる費用は構造と広さによっても変動する

全国平均を把握した後は、ご自身の建築計画に近い具体的な条件で費用を検討していきましょう。家を建てる費用に大きく影響するポイントは、「構造の選択」と「延床面積の設定」の2点です。

建てる家の構造によって異なる1坪あたりの工事費

国土交通省の「建築着工統計調査」(令和7年計)における持家一戸建ての構造別1㎡あたり工事費予定額を見ると、木造が26.1万円、鉄骨造が36.8万円、鉄筋コンクリート造が40.7万円となっています。これを1坪(約3.31㎡)あたりに換算すると、木造は約86万円、鉄骨造は約122万円、鉄筋コンクリート造は約135万円です。

ここで注意したいのは、この工事費予定額は建築確認の申請時点における金額である点です。実際の請負契約額は変更や追加によりこれより高くなるケースが多く、届出ベースの数値はあくまで費用の下限目安として捉えるのが実務的です。同調査での1戸あたり工事費予定額は、木造2,906.3万円、鉄骨造4,510.6万円、鉄筋コンクリート造5,645.8万円となっており、構造ごとに平均床面積が異なることも影響しています。

持家一戸建ての構造別工事費予定額(令和7年計・建築着工統計調査)
構造1㎡あたり1坪あたり(換算)1戸あたり
木造26.1万円約86万円2,906.3万円
鉄骨造36.8万円約122万円4,510.6万円
鉄筋コンクリート造40.7万円約135万円5,645.8万円

なお、坪単価に含まれる工事範囲は住宅会社によって微妙に異なるため、単純比較には注意が必要です。坪単価に含まれる内容の正しい確認手順については、注文住宅ハウスメーカーの坪単価の見方をまとめた記事で詳しく解説しています。

家を建てる時の構造の選び方

木造は建築コストを比較的抑えやすく、着工統計でも持家の大半を占めています。柱と梁で構造を支えるため間取りの自由度が高く、断熱性能を高めやすい点も大きなメリットです。

鉄骨造はスパン(柱間隔)を広く取りやすいため、広いLDKや将来の間取り変更に対応したい場合に向いています。一方、鉄筋コンクリート造は遮音性や耐火性に優れるものの、建物重量が増すため地盤補強や基礎工事のコストが高くなりやすい特徴があります。

最適な構造は、敷地の広さや形状、地盤の状態、求められる住まいへの性能によって変わります。各構造の違いや選び方の詳細は、RC造・S造・W造・SRC造の違いを解説した記事で詳しく比較しています。

建てる家の延床面積によっても工事費は変わる

2025年度のフラット35利用者調査によると、住宅面積の全国平均は注文住宅(土地購入なし)で118.4㎡(約35.8坪)、土地付注文住宅で110.3㎡(約33.4坪)となっています。

延床面積を1坪増やすと、その分の坪単価に応じて本体工事費が増加します。例えば木造で坪単価86万円の場合、面積が2坪変わるだけで約170万円の費用差が生じます。そのため、予算調整を行う際はまず延床面積の最適化から検討するのが効果的です。

家を建てるときに本体工事費以外にかかる費用

ここまでの費用は建物本体にかかる建築費です。実際に家を建てる際の資金計画では、これに加えて付帯工事費や各種諸経費が必要となります。見積もりの総額が当初の提示額より膨らみやすいのは、主にこれらの項目が含まれるためです。

付帯工事費で見落としやすいもの

付帯工事費には、外構工事、給排水引き込み工事、地盤改良工事、古家がある場合の解体工事などが含まれます。このうち地盤改良費用は、実際の地盤調査を実施するまで必要性や具体的な金額が確定しません。契約時には未確定のケースも多いため、あらかじめ予備費として予算を見込んでおくと安心です。

地盤改良が必要になりやすい土地の傾向や、調査結果の見方については地盤改良の必要性を判断するための記事で解説しています。

外構工事も当初の見積もりから除外されがちな項目です。駐車場舗装、フェンス、門まわり、植栽などの施工内容によって金額が大きく変動し、入居後に段階的に進める方もいます。ただし、駐車場やアプローチなど生活に直結する箇所は、お引渡し時点で使用できるよう計画しておく必要があります。

諸経費の内訳

諸経費には、設計料、建築確認申請費用、登記費用、火災保険料、住宅ローンの事務手数料や保証料などが含まれます。また、地鎮祭や上棟式を行う場合はその費用も別途発生します。

登記手続きのうち、所有権保存登記の登録免許税は不動産評価額に対して0.15%(一般住宅の特例。本則は0.4%)、住宅ローンの抵当権設定登記は借入額(債権金額)に対して0.1%(本則は0.4%)です。これらの軽減特例は2027年3月31日までの登記手続きが対象であり、所有権保存登記は不動産評価額、抵当権設定登記は借入額と、課税標準となる対象が異なる点にご注意ください。このほか、司法書士や土地家屋調査士へ支払う報酬(実費)が必要です。

諸経費の多くは現金での支払いが求められます。住宅ローンに組み込める範囲は金融機関や融資商品によって異なるため、事前審査の段階で組み込み可能な範囲を必ず確認しておきましょう。

本体工事費以外に見積書で確認すべき重要チェックポイント

  • 外構工事(駐車場・アプローチ・フェンス・植栽)がどこまで含まれているか
  • 地盤改良工事が別途扱いになっているか、概算を見込んでいるか
  • 給排水やガスの引き込み工事が敷地条件を踏まえた金額になっているか
  • 設計料と建築確認申請にかかる費用の扱い
  • 登記費用(登録免許税と司法書士・土地家屋調査士への報酬)
  • 火災保険料と、住宅ローンの事務手数料・保証料
  • 照明・カーテン・エアコンが本体価格に入っているか

削減可能な費用と削るべきではない費用の見極め方については、予算オーバーしたときに見直す順序をまとめた記事で詳しく整理しています。

家を建てる際の資金計画の立て方

必要な総額の目途が立ったら、自己資金とローン借入額のバランスを検討します。一般的な理想論だけでなく、実際のフラット35利用者の統計データを基準に現実的な計画を立てましょう。

土地付注文住宅における手持金の実態

2025年度のフラット35利用者調査によると、土地付注文住宅における手持金は全国平均で481.1万円となり、総額に占める割合は9.1%でした。なお、フラット35利用者全体の平均は551.2万円(13.1%)となっています。

「自己資金として2〜3割を用意すべき」と言われることがありますが、現実の利用者の手持金は1割前後が実態です。頭金が少なくてもローンを組むことは可能ですが、その分借入総額と利息負担が増加します。手元に残す資金量は、教育費や車両購入といった将来のライフイベントも踏まえて総合的に判断しましょう。

頭金をいくら用意するかの考え方は、住宅ローンの頭金の平均額を扱った記事で詳しく整理しています。

返済負担率の実態

返済の健全性を測る重要な指標が総返済負担率(世帯月収に占める毎月の予定返済額の割合)です。2025年度の全国平均は、フラット35利用者全体で22.8%、土地付注文住宅の利用者で26.4%でした。

返済負担率の許容範囲は収入や家計状況により異なりますが、教育費がピークを迎える時期や世帯年収の変化などを考慮すると、「審査に通る上限」と「無理なく返済できる水準」は必ずしも一致しません。平均値を基準としつつ、将来の支出増加を見越したゆとりある計画を立てることが重要です。

支払いのタイミング

資金計画ではトータルコストだけでなく、支払いのタイミングを押さえることも不可欠です。土地購入時は契約時の手付金と決済時の残代金が発生し、建物費用は契約金・着工金・上棟金・引渡金と複数回に分けて支払うのが一般的です。

住宅ローンの融資実行はお引渡し時となるため、それ以前の支払いには自己資金かつなぎ融資で対応する必要があります。つなぎ融資には所定の利息や手数料がかかるため、利用の有無や時期を早期に確認しておくことで想定外の出費を防げます。

資金計画を含めた家づくり全体の進め方は、家を建てる手順とスケジュールをまとめた記事で順を追って解説しています。

ヤマダホームズでは、建物本体だけでなく付帯工事や諸経費を含めた総額でのご提案を行い、お支払いのタイミングまで分かりやすくご説明いたします。具体例な間取りや仕様を確認しながら費用感をつかんでいただけるよう、全国にモデルハウスをご用意しております。ぜひお気軽にご相談ください。

よくある質問

統計の平均額と住宅会社の見積もりが合わないのはなぜですか

集計対象となる費用の範囲が異なるためです。フラット35利用者調査の建設費は実際にかかった建築費用の実績値ですが、建築着工統計の工事費予定額は確認申請時点の届出額であり、実際の契約額より低くなる傾向があります。また、住宅会社の見積もりも照明・カーテン・外構などが含まれているかによって総額が変わります。比較する際は、含まれる工事範囲条件を揃えることが大切です。

土地探しと住宅会社選びはどちらを先に進めるとよいですか

土地探しから始める場合は、住宅会社選びも並行して進めることで総予算を管理しやすくなります。土地価格が定まらないと建物にかけられる予算が決まらず、逆に建てたい家の規模が不透明だと必要な土地の広さも絞れないためです。また、敷地の高低差や地盤状況によって造成費や地盤改良費が大きく変わるため、候補地の段階で住宅会社に確認してもらうことをおすすめします。

諸経費は住宅ローンに含められますか

金融機関やローン商品によって対応が異なります。諸費用まで融資対象に含められる商品もあれば、別途諸費用ローンを組み込むケースもあります。対象となる費目範囲も異なるため、事前審査の際に確認が必要です。なお、契約時の手付金など融資実行前に必要な資金については、手元資金での準備が必要となります。

建築費はこの先も上がり続けますか

将来の価格動向を正確に予測することは困難です。ただし実績として、フラット35利用者調査における2025年度の所要資金は全融資区分で前年度を上回っています。不確実な将来予測に依存するより、現時点での見積もりをベースに総額を固め、金利変動や予備費に配慮した余裕ある資金計画を立てるのが確実です。

延床面積を小さくする以外に建築費を抑える方法はありますか

建物の形状をシンプルにする、水まわりを集中させて配管コストを抑える、屋根や外壁の形状を複雑にしないといった設計上の工夫で費用を軽減できます。設備や内装のグレードを一律に下げるのではなく、こだわりたい場所に予算を集中させるメリハリが効果的です。なお、断熱性能や耐震性能は後からの改修が難しいため、減額対象とする優先度は低くすることをおすすめします。

まとめ

家を建てる費用は、土地の有無や建築する地域、建物の構造や広さによって大きく変わります。また、建物本体の工事費だけでなく、外構や地盤改良などの付帯工事費、登記や保険といった諸経費も必要になり、その中には現金で支払う費用も含まれます。

統計の平均額はあくまで目安として捉え、総額を把握したうえで、自己資金と借入額、返済負担のバランスを無理のない範囲で検討することが大切です。家を建てると決めたら、支払いのタイミングも含めて早めに住宅会社へ相談し、将来の暮らしまで見据えた資金計画を立てましょう。

WEB来場予約限定!初めてのご来場でヤマダポイントプレゼント!

ヤマダホームズの建築実例などカタログ請求無料

 

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
目次