総二階とは?外観がダサい?地震に強い、防犯性などのメリットや総二階がおすすめなケースを紹介

注文住宅を検討する際、建物の形状やデザインに悩まれる方も多いのではないでしょうか。住宅カタログやモデルハウスで目にする「総二階」という言葉は、建物の構造を表す専門用語のひとつです。総二階とは、1階と2階の床面積がほぼ同じで、箱型のシンプルな形状をした建物のことを指します。

この記事では、総二階の定義やメリット・デメリット、おしゃれな外観にするためのデザイン手法、そして総二階がおすすめなケースについて詳しく解説していきます。これから住まいづくりを始める方が、自分たちに合った住宅選びができるよう、実践的な情報をお届けします。

監修者情報

株式会社ヤマダホームズ
スマチエ編集部

これから家を建てたり、購入を検討している方たちは、どんなことを思い、なにを重視しているのでしょうか。ヤマダホームズがまとめた皆様の声や家づくり調査をご紹介します。

目次

総二階とは

住宅の形状を理解することは、理想の家づくりの第一歩です。ここからは、総二階の定義や部分二階との違いについて詳しく見ていきましょう。

総二階の基本的な定義

総二階とは、1階と2階の床面積がほぼ同じで、真上から見たときに2階が1階の範囲内に収まっている建物のことを指します。建物を横から見ると、ほぼ正方形や長方形の箱型になっているのが特徴です。

建築基準法上の明確な定義はありませんが、業界では一般的に1階と2階の床面積の差が10パーセント以内であれば総二階と呼ばれています。この構造は、柱や壁の位置を1階と2階で揃えやすく、構造的に安定した建物になります。

総二階の住宅は、日本の住宅地において最も多く見られる形状のひとつです。限られた敷地を最大限に活用しながら、必要な居住空間を確保できるため、特に都市部の住宅地で採用されることが多くなっています。

部分二階との明確な違い

総二階と対比される建物形状として「部分二階」があります。部分二階とは、1階の床面積が2階よりも広く、2階が1階の一部の上にのみ存在する建物のことです。

例えば、1階にリビングやガレージがあり、その上部だけに2階の居室が配置されているような住宅が部分二階に該当します。横から見ると階段状になっており、1階部分に屋根が存在するのが特徴です。

項目 総二階 部分二階
1階と2階の床面積 ほぼ同じ 1階が広い
外観の形状 箱型でシンプル 段差があり立体的
1階の屋根 なし あり
建築コスト 比較的安い 比較的高い
耐震性 高い やや劣る

このように、総二階と部分二階では構造上の大きな違いがあり、それぞれにメリット・デメリットが存在します。建築コストや耐震性の観点では総二階に軍配が上がりますが、デザイン性や空間の多様性では部分二階にも魅力があります。

総二階が採用される背景

総二階が多くの住宅で採用される背景には、いくつかの理由があります。まず、日本の住宅地では敷地面積が限られているケースが多く、その中で最大限の居住空間を確保するためには、1階と2階を同じ面積にする総二階が合理的です。

また、建築コストを抑えられる点も大きな理由です。複雑な形状の建物は設計や施工に手間がかかり、それだけコストも上昇します。総二階はシンプルな箱型であるため、設計図の作成から資材の発注、施工までの工程が効率化され、結果として建築費用を抑えることができます。

さらに、近年の住宅業界では耐震性能が重視されており、構造的に安定した総二階が推奨される傾向にあります。地震大国である日本において、家族の安全を守るためには建物の耐震性は欠かせない要素です。

総二階のメリットを解説

地震に強い構造的なメリット

総二階の最大のメリットは、耐震性の高さです。1階と2階の柱や壁の位置を揃えやすい構造であるため、地震の揺れを建物全体で均等に分散できます。

建築基準法では、耐力壁と呼ばれる地震の力に抵抗する壁をバランスよく配置することが求められています。総二階では1階と2階で壁の位置を合わせやすいため、この要件を満たしやすく、結果として高い耐震性能を実現できます。

一方、部分二階のように1階と2階の形状が異なる建物では、2階の重量が特定の柱や壁に集中しやすく、地震時に建物がねじれるような動きをする可能性があります。このような偏心と呼ばれる現象は、建物の倒壊リスクを高める要因となります。

  • 1階と2階の柱や壁の位置が揃うため、荷重が均等に伝わる
  • 耐力壁をバランスよく配置しやすく、建物のねじれを防げる
  • 構造計算がシンプルになり、安全性の確認が容易
  • 地震のエネルギーを建物全体で吸収できる

防犯性が高い理由

総二階は防犯面でも優れた特性を持っています。その最大の理由は、1階部分に屋根がないことです。部分二階の場合、1階の屋根部分が足場となり、侵入者が2階の窓から侵入する経路を提供してしまいます。

住宅への侵入窃盗の手口として、2階以上のベランダや窓からの侵入があります。総二階では1階の屋根がないため、2階への侵入が物理的に困難になり、侵入リスクを低減できます。

また、外壁が垂直で凹凸が少ないため、外壁を伝って上る行為も難しくなります。侵入に時間がかかる建物は、犯罪者が敬遠する傾向があるため、総二階は防犯上有利な構造といえます。

建築コストを抑えられる経済的メリット

総二階は建築コストの面でも大きなメリットがあります。建物の形状がシンプルであるため、複雑な設計や特殊な施工技術が不要になり、工事費用を抑えることができます。

特に屋根と外壁の面積が小さくなることは、コスト削減に直結します。建物の形状が複雑になるほど、屋根や外壁の施工面積が増え、それに伴って材料費と工事費が増加します。総二階では、同じ床面積でも屋根面積を最小限に抑えられるため、大幅なコストダウンが可能です。

また、施工期間が短縮されることで、仮住まいの家賃や引っ越し費用などの間接的なコストも削減できます。建築費用を抑えられた分を、内装や設備のグレードアップに充てることも可能になります。

断熱性能と省エネルギー性

総二階は断熱性能の面でも優れており、冷暖房効率の向上につながります。建物の外壁面積が小さいため、夏の熱の侵入や冬の熱の流出を最小限に抑えられるからです。

住宅の断熱性能は、外壁や屋根、窓などの開口部を通じて熱が出入りします。外壁面積が小さいほど、熱の移動を抑制しやすくなり、室内の温度を快適に保ちやすくなります。総二階は表面積対体積比が小さいため、断熱性能の観点から有利な構造です。

実際に、同じ床面積の建物でも、総二階と部分二階では年間の冷暖房費に差が出ることがあります。長期的に見れば、光熱費の削減というランニングコストの面でもメリットがあるといえます。

間取りの自由度と空間効率

総二階は2階の床面積が広いため、居室を多く確保できるというメリットがあります。子育て世代であれば、子ども部屋を複数設けることができ、将来的な家族構成の変化にも対応しやすくなります。

また、1階と2階の間取りを柔軟に計画できる点も魅力です。1階をパブリックスペース、2階をプライベートスペースとして明確に分けることで、生活のメリハリをつけやすくなります。

  • 2階に複数の個室を配置でき、家族それぞれのプライバシーを確保
  • 1階と2階で用途を明確に分けることで、生活動線がシンプルに
  • 将来的なリフォームや間取り変更がしやすい
  • 収納スペースを各階に十分確保できる

敷地面積が限られている都市部では、総二階にすることで必要な部屋数を確保しながら、庭や駐車場のスペースも残せるという利点があります。土地を有効活用するという観点からも、総二階は合理的な選択肢といえます。

総二階の外観がダサいと言われる理由と解決策

総二階は機能面で優れている一方、外観がダサいと感じる方もいらっしゃいます。ここからは、その理由とおしゃれな外観にするためのデザイン手法について解説します。

シンプルすぎる外観が単調に見える理由

総二階の外観がダサいと感じられる最大の理由は、箱型のシンプルな形状が単調に見えることです。凹凸が少なく、立体感に欠けるため、のっぺりとした印象を与えやすくなります。

特に、同じような総二階の住宅が並ぶ住宅地では、個性が感じられず、地味で没個性的に見えてしまうことがあります。また、バルコニーや庇がないシンプルな外観は、デザイン性に欠けると感じる方もいらっしゃいます。

しかし、これらの課題は外壁材の選定や色使い、窓の配置などのデザイン工夫によって解決することが可能です。総二階だからといって必ずしもダサい外観になるわけではなく、デザインの工夫次第でおしゃれな住宅にすることができます。

外観をおしゃれにする外壁材と色の選び方

総二階の外観をおしゃれにする最も効果的な方法は、外壁材の選定と色使いの工夫です。異なる素材や色を組み合わせることで、単調な印象を打破し、立体感やアクセントを生み出せます。

例えば、1階と2階で外壁材を変える手法があります。1階に重厚感のあるタイル調の外壁材を使用し、2階に明るい色のサイディングを採用することで、視覚的なメリハリが生まれます。また、一部の壁面だけ木目調の素材を使うことで、ナチュラルで温かみのある外観を演出できます。

外壁材の種類 特徴 おすすめの使い方
窯業系サイディング デザインが豊富で低価格 メインの外壁材として使用
金属サイディング モダンでシャープな印象 アクセント壁として部分的に使用
タイル 高級感があり耐久性が高い 玄関周りや1階部分に使用
木材調素材 温かみがあり自然な雰囲気 ベランダ周りや一部の壁面に使用
塗り壁 独特の質感と表情がある 全体または一部に採用

色使いでは、ツートンカラーが効果的です。明るい色と暗い色を組み合わせることで、視覚的な奥行きが生まれ、立体感のある外観になります。ただし、色の組み合わせは周辺環境との調和も考慮する必要があります。

窓の配置とデザインで立体感を演出

窓の配置やデザインを工夫することも、総二階の外観を魅力的にする重要なポイントです。窓は単なる採光や通風のための開口部ではなく、外観デザインを構成する重要な要素でもあります。

例えば、大きな窓と小さな窓をバランスよく配置することで、リズム感のある外観を作り出せます。また、窓の形状を統一せず、正方形や細長い窓を組み合わせることで、デザイン性を高めることができます。

  • 連続窓を採用して横のラインを強調し、スタイリッシュな印象に
  • 縦長の窓を並べて縦のラインを強調し、スマートな外観に
  • 出窓を設けることで外壁に陰影をつけ、立体感を演出
  • 窓枠の色を外壁と対比させてアクセントをつける

また、窓の周りに装飾的なモールディングを施したり、窓下に化粧ベルトを設置したりすることで、さらにデザイン性を高めることができます。これらの工夫は比較的低コストで実現できるため、予算を抑えながらも外観の質を向上させる手段として有効です。

屋根のデザインと外構で個性を出す方法

屋根のデザインも外観の印象を大きく左右します。総二階では屋根が目立ちやすいため、屋根材の選定や形状にこだわることで、個性的な外観を実現できます。

例えば、片流れ屋根を採用することで、モダンでシャープな印象を与えることができます。また、屋根の色を外壁との組み合わせで選ぶことで、統一感のあるデザインになります。近年は太陽光パネルを設置する住宅も増えていますが、黒いパネルは外観のアクセントとしても機能します。

外構デザインも外観の印象を決定づける重要な要素です。建物だけでなく、門扉や塀、植栽などを含めたトータルデザインを考えることで、統一感のある美しい住まいになります。

アプローチに石やタイルを敷いたり、シンボルツリーを植えたりすることで、建物の個性を引き立てることができます。また、外構照明を効果的に配置すれば、夜間の外観も魅力的に演出できます。

実例から学ぶおしゃれな総二階のデザイン

実際の総二階住宅の中には、デザインの工夫によって非常におしゃれな外観を実現している事例が数多くあります。例えば、黒とグレーのツートンカラーを採用し、金属サイディングでモダンな印象に仕上げた住宅や、木目調の外壁材と白い塗り壁を組み合わせてナチュラルモダンなデザインにした住宅などがあります。

また、バルコニーを設けず、代わりにインナーバルコニーを採用することで、外観をすっきりさせながらも機能性を確保している事例もあります。インナーバルコニーは建物の一部を凹ませて屋根付きのバルコニーを作る手法で、雨に濡れない洗濯スペースとして重宝します。

これらの実例から学べることは、総二階というシンプルな形状だからこそ、素材や色、窓の配置といったディテールにこだわることで、個性的で魅力的な外観を作り出せるということです。

総二階がおすすめなケースと間取りの工夫

限られた敷地を最大限に活用したい場合

敷地面積が限られている場合、総二階は最も効率的に居住空間を確保できる建物形状です。特に都市部の住宅地では、土地の価格が高いため、できるだけ小さな敷地で必要な床面積を確保したいというニーズがあります。

例えば、30坪の敷地に延床面積30坪の住宅を建てる場合、部分二階では1階の面積が大きくなり、駐車場や庭のスペースを確保することが難しくなります。しかし、総二階であれば1階15坪、2階15坪という配分で建物を計画でき、敷地内に駐車スペースや小さな庭を確保することができます。

また、建ぺい率や容積率といった法的な制限がある中で、最大限の床面積を確保するためにも総二階は有効です。特に第一種低層住居専用地域などの厳しい制限がある地域では、総二階にすることで必要な部屋数を確保しながら法規制をクリアできます。

建築コストを抑えたい子育て世代

子育て世代にとって、限られた予算の中で広い居住空間を確保することは重要な課題です。総二階は建築コストを抑えながらも十分な床面積を確保できるため、子育て世代に最適な選択肢となります。

例えば、子ども部屋を複数確保したい場合、2階の床面積が広い総二階であれば、各子どもに個室を提供することができます。また、将来的に子どもが独立した後も、部屋を趣味室や書斎として活用できるため、長期的な住まい方にも対応できます。

  • 建築コストが抑えられるため、その分を教育費や貯蓄に回せる
  • 2階に複数の子ども部屋を配置でき、プライバシーを確保
  • 1階をリビング中心の家族共用スペースとして広く使える
  • 将来のリフォームや間取り変更がしやすい

また、子育て期間中は何かと物が多くなるため、収納スペースの確保も重要です。総二階では各階に十分な収納スペースを設けることができ、生活動線に合わせた収納計画が立てやすくなります。

耐震性を重視する地域や世帯

地震のリスクが高い地域にお住まいの方や、耐震性を特に重視する世帯にとって、総二階は安心できる建物形状です。前述の通り、総二階は構造的に安定しており、地震の揺れに対して強い抵抗力を持ちます。

特に、南海トラフ地震や首都直下地震などの大規模地震が懸念される地域では、建物の耐震性能は家族の命を守るための最重要事項です。総二階にすることで、追加の耐震補強を最小限に抑えながらも、高い耐震性能を確保できます。

また、高齢のご家族がいらっしゃる世帯では、地震時の安全性がより重要になります。総二階の安定した構造は、地震時の倒壊リスクを低減し、避難時間を確保することにつながります。

間取りの工夫で総二階を快適にする方法

総二階のシンプルな構造を活かしながら、快適な住空間を作るためには間取りの工夫が重要です。ここでは、総二階の間取りを考える際のポイントをご紹介します。

まず、吹き抜けを設けることで、開放感のある空間を作ることができます。吹き抜けはリビングに設けることが多く、1階と2階をつなぐコミュニケーションスペースとしても機能します。家族の気配を感じられる住まいは、特に子育て世代に人気があります。

間取りの工夫 効果 注意点
吹き抜け 開放感と明るさの確保 冷暖房効率への配慮が必要
リビング階段 家族のコミュニケーション促進 プライバシーの確保に工夫が必要
スキップフロア 空間に変化をつけられる バリアフリー面で課題
ウォークインクローゼット 収納力が高まる 居室面積とのバランスが重要

リビング階段も人気の間取り手法です。通常は玄関ホールに階段を設けますが、リビングを通らなければ2階に上がれないようにすることで、家族のコミュニケーションが自然に生まれます。ただし、来客時のプライバシーや冷暖房効率については注意が必要です。

また、2階にセカンドリビングや書斎スペースを設けることで、家族それぞれが思い思いの時間を過ごせる空間を確保できます。在宅ワークが増えた現代では、仕事専用のスペースを確保することも重要なポイントです。

将来のライフスタイル変化に対応する設計

住まいは長期間にわたって使用するものであるため、将来のライフスタイル変化に対応できる設計が重要です。総二階は間仕切り壁の変更がしやすいため、将来的なリフォームにも適しています。

例えば、子どもが小さいうちは2階を広い一部屋として使い、成長に合わせて間仕切り壁を設けて個室に分けるという計画が可能です。逆に、子どもが独立した後は壁を撤去して広いスペースに戻すこともできます。

また、将来的にバリアフリー化を見据えた設計も重要です。1階に寝室を配置できるよう、間取りの自由度を持たせておくことで、階段の上り下りが困難になった際にも対応できます。

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まとめ

総二階とは、1階と2階の床面積がほぼ同じで箱型のシンプルな形状をした建物のことです。地震に強い構造、高い防犯性、建築コストの削減、優れた断熱性能など、多くのメリットを持つ住宅形式といえます。

外観がダサいという印象を持たれることもありますが、外壁材の選定や色使い、窓の配置といったデザインの工夫によって、おしゃれで個性的な外観を実現することは十分に可能です。素材の組み合わせや屋根のデザイン、外構計画を含めたトータルデザインを考えることで、魅力的な住まいになります。

総二階は、限られた敷地を最大限に活用したい方、建築コストを抑えたい子育て世代、耐震性を重視する世帯に特におすすめです。シンプルな構造だからこそ、間取りの工夫次第で快適な住空間を作ることができ、将来のライフスタイル変化にも柔軟に対応できます。これから注文住宅を建てる方は、総二階という選択肢をぜひ検討してみてください。

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