Case.85
記憶の継承
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記憶の継承
敷地には、旧家とご両親が大切にされていた風情豊かな庭が残されていた。
初めて施主とお会いした際、その庭についてこんなことを話されていた。
子どものころは、あまり好きじゃなかったのですが、自身が父親になった今、
この庭が四季を通じて、知らぬ間に感性を育んでくれたのだと改めて思います。
子どもたちも、身近に自然を感じることができる、そんな環境で育てたいと。
この計画は、この庭(土地)、そしてそこに積もった記憶(時間)を受け止め、次世代に
継承することを主題としている。
昨今、環境共生の観点からも短すぎる日本の住宅寿命に警鐘が鳴らされている。
その対策として、耐久性や可変性が提唱されているが、どれだけ愛着をもてるかが、
永く住宅を維持させる上で、最も重要なではないだろうか。
ご両親が愛情込めて手入れされていた庭に、知らぬ間に施主が感性を育まれ、
そして今、子どもたちの為に残される。世代を渡り、場の記憶が継承されていくのである。
Data
所在地 | 兵庫県 |
---|---|
竣工 | 2007年 |
延床面積 | 208.14㎡(62.96坪) |
構造 | 木造2階建て |
Designers
記憶の継承
Data
所在地 | 兵庫県 |
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竣工 | 2007年 |
延床面積 | 208.14㎡(62.96坪) |
構造 | 木造2階建て |