風景を纏う棲家の写真
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Case.81

風景を纏う棲家

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北摂山地と河川に挟まれた敷地は、南へ平野が広がる山麓の住宅街にあり、
周辺には地域にゆかりのある人物の旧屋敷や博物館等の自然に囲まれた文化的施設も多い。春は桜、秋は紅葉に包まれ、夜景が素晴らしい場所としても有名である。最初に敷地を訪れたときに、屋根上に広がる風景と空の青さ、手が届きそうな山肌の濃緑が強く目に焼き付いた。
敷地周辺には高層建築物があり、眺望を全面に取り込みつつプライバシーも確保する必要性から建物を1層分上げ、さらに視線が抜けるようにした。近隣への配慮から配置にゆとりを持たせ、建物は敷地の中央に集約し、近隣との距離を保つと共に眺望の範囲を広げる効果も持たせた。
また、道路側は緑地帯とし、ファサードを高木で覆い全体の高さを和らげ、街路樹と向かい合う街並みの一部としている。
光や風は中庭を設けることで調整し、1階のピロティはエントランスホールやゲストルームからのプライベートガーデンとし、水盤に反射された水影が建物に映る心地よい場所になっている。
4層に重ねた建物は、最上階をベースに眺望を見渡せる高さとなり、連続する開口によって風景をパノラマに広げている。また、階段ホールは、最上階までの吹抜にガラスを通すことで、柔らかな光を取り込み、各層ごとに稜線へ向き合わせた。
道路側は、バルコニーを近隣との緩衝地帯としてプライバシーを保ちながら眺望へと視線を通し、深い軒により奥行き感を持たせた。
室内に連続する天井のルーバーは視覚的変化を生み、内外の光を拡散させ周囲の素材を映えさせることで非日常的空間を創り出している。
夕刻になると、ライティングの陰影が建物を浮遊させ、建物内部へ誘う。

Data

所在地 大阪府
竣工 2023/03
延床面積 363.68
構造 RC+GA工法

Designers

阪本 好史の写真

一級建築士

Yoshifumi Sakamoto