Wood Screen

敷地は、海と山に挟まれた高台の閑静な住宅街に位置しており、眺望と山の景観の両方を望める場所にある。

計画するにあたり、いくつかのハードルを解決する必要があった。まず、現状の敷地レベルからは、周辺建物により眺望への目線が十分に抜けず、時間帯により光が遮られる場所がある事。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　また、法規制により、要望の間取りが十分に確保しづらい事。一部周辺の境界付近まで近隣の建物があり、施工上の注意が必要である事。

等に配慮し、宅地の造成は行わず、既存部分をできるだけ残し、駐車スペースを地下に挿入し、建物のみを持ち上げることで、目線を上げ、眺望を確保し、近隣建物に影響なく光を取り入れられるように環境を再構築した。2階のLDKの海側は、連続する開口によりアウターリビングと一体化させ、パノラマに眺望を望めるように開放し、山側は稜線が目に入るようにピクチャーウィンドウの位置を決めた。

１階中央には隣地建物の隙間を利用し、そこに目線を貫く光庭を配し、さらに上部にライトウェルを設けることで１階全体に柔らかい光が差し込むようになっている。

道路側は建物までの距離を保つことで、建物に奥ゆかしさを与え、間に設けた緑地帯が周辺環境や街並みを豊かにさせてくれる。陽が沈むと道路からはライトアップされたシンボルツリーが建物をスクリーンとして映し出される。