地震に強い家の形や構造、高さなど特徴を解説!制震・耐震・免震が重要?

地震大国である日本では、家族を守る安全な住まいを確保するために、地震に強い家を建てることが重要な課題となっています。しかし、地震に強い家とは具体的にどのような特徴を持つのでしょうか。家の形状や構造、高さ、そして耐震・制震・免震の違いなど、多くの要素が関わってきます。

本記事では、地震に強い家の具体的な形や構造の特徴から、制震・耐震・免震の違いと選び方、さらに設計や建築時に重視すべきポイントまで詳しく解説します。これから家を建てる方やリフォームを検討している方、住宅購入を考えている方にとって、安心して暮らせる住まい選びの参考にしていただければと思います。

監修者情報

株式会社ヤマダホームズ
スマチエ編集部

これから家を建てたり、購入を検討している方たちは、どんなことを思い、なにを重視しているのでしょうか。ヤマダホームズがまとめた皆様の声や家づくり調査をご紹介します。

監修者情報
河野 由美子

二級建築士・インテリアコーディネーター

河野 由美子

二級建築士・インテリアコーディネーター・防災備蓄収納1級プランナーの資格を有する。住宅設備メーカーや住宅コンサルタント会社、大手リフォーム会社での勤務を経て独立。日常の中に非日常を感じられる空間づくりをコンセプトとし、住宅やオフィス・医療施設・店舗などの設計およびインテリアコーディネートに携わる。
建築インテリア関連記事の企画執筆や監修業務、研修講師、建築関連資格対策テキスト監修、工務店施工事例集ディレクションなどの実績も多数。

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目次

地震に強い家の基本的な構造

シンプルで対称的な形状

地震に強い家の形状として最も効果的なのは、正方形や長方形といったシンプルで左右対称な形です。複雑な凹凸がある建物は、地震時に各部分が異なる揺れ方をするため、接続部分に大きな負荷がかかります。

L字型やコの字型などの複雑な形状の建物では、地震の際に各部分が異なる周期で揺れるため、接続部分にねじれや引っ張りの力が集中しやすくなります。一方、シンプルな四角形の建物は、全体が統一された動きをするため、構造的な安定性が保たれます。

総二階建て構造

地震に強い家の代表的な形として、総二階建て構造が挙げられます。総二階建てとは、1階と2階の床面積がほぼ同じで、2階部分が1階の直上に配置された構造のことです。

この構造では、構造柱や壁の位置が上下階で揃うため、地震時の荷重が効率的に基礎まで伝達される特徴があります。また、建物全体の重心と剛心のバランスが取りやすく、地震時のねじれを抑制できます。

平屋住宅

平屋住宅も地震に強い住宅形態の一つです。建物の高さが低いため、地震時の揺れ幅が小さく抑えられ、倒壊リスクが大幅に低減されます。

平屋住宅では、構造的に2階部分の重量がないため、1階部分にかかる荷重が軽くなり、基礎や構造材への負担が軽減されます。また、階段がないため間取り設計の自由度が高く、耐力壁の配置も効率的に行えます。

耐震・制震・免震構造の違い

耐震構造の仕組み

耐震構造は、建物自体の強度を高めることで地震の揺れに耐える構造です。筋交いや構造用合板による耐力壁、柱と梁の接合部強化などにより、建物の剛性を向上させます。

耐震構造は最も一般的で、建築コストが比較的抑えられる特徴があります。現在の新耐震基準では、震度6強から7程度の地震でも建物が倒壊しない設計が求められており、多くの住宅がこの基準に準拠しています。

ただし、耐震構造では地震の揺れが直接建物に伝わるため、家具の転倒や室内の損傷が発生する可能性があります。また、複数回の揺れを繰り返し受けると構造材が疲労する場合もあります。

制震構造の仕組み

制震構造は、建物内に制震装置を設置して地震のエネルギーを吸収・減衰させる構造です。ダンパーや制震壁などの装置により、建物の揺れを抑制します。

制震構造の大きなメリットは、繰り返しの地震に対しても性能を維持できることです。建物の変形を抑えるため、室内の損傷も軽減されます。特に、高層建築や長周期の揺れに対して効果的とされています。

構造の種類主な特徴建物
耐震構造建物自体で地震に耐える・低コスト一般住宅・マンション
制震構造揺れを吸収・繰り返し地震に強い中高層住宅・事務所
免震構造揺れを建物に伝えない・高性能重要建築物・高級住宅

免震構造の仕組み

免震構造は、建物と基礎の間に免震装置を設置し、地震の揺れを建物に直接伝えない構造です。積層ゴムやダンパーなどの装置により、建物が地盤の動きから切り離されます。

免震構造は3つの中で最も高い地震対策効果を持ち、室内の被害を大幅に軽減できる特徴があります。家具の転倒や室内の損傷がほとんど発生せず、住居者の安全性が最も高く保たれます。

ただし、免震構造は建築コストが高く、定期的なメンテナンスが必要です。また、地盤条件や建物の規模によって適用可否が判断されるため、すべての住宅に適用できるわけではありません。

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地震に強い家の設計

地震に強い家を実現するためには、構造だけでなく設計段階での配慮も重要です。地盤から屋根まで、総合的な観点から耐震性能を高める設計を理解することが必要です。

地盤と基礎の重要性

地震に強い家づくりの出発点は、しっかりとした地盤と基礎です。軟弱地盤では地震時の揺れが増幅されるため、必要に応じて地盤改良工事を行います。

適切な地盤調査により軟弱地盤が判明した場合は、柱状改良や鋼管杭工法などの地盤改良が必要です。基礎については、布基礎よりも面で荷重を支えるベタ基礎の方が、地震時の安定性に優れています。

基礎と建物の緊結も重要なポイントです。アンカーボルトやホールダウン金物により、基礎と土台、柱を確実に接合することで、地震時の建物の浮き上がりや横滑りを防止します。

耐力壁の配置と壁量計算

建物の耐震性を決定する重要な要素の一つが、耐力壁の配置です。耐力壁は地震の水平力に抵抗する構造要素であり、建物全体にバランス良く配置する必要があります。建築工法によっては、ドアや窓といった開口部の大きさや設置位置の工夫も求められます

建築基準法では、床面積に応じた必要壁量が定められており、この基準を満たすことが最低条件となります。さらに、耐力壁を建物の中心に近い位置や、外周部に均等に配置することで、地震時のねじれを抑制できます。

階数必要壁量の目安配置の重点
1階部分床面積の1.5〜2倍の長さ外周部・中央部の均等配置
2階部分床面積と同程度の長さ1階の耐力壁と位置を合わせる
平屋建て床面積と同程度の長さ四方向に均等配置

建物の高さと重心の考慮

建物の高さは地震時の揺れに大きく影響します。高い建物ほど地震時の変位が大きくなり、転倒モーメントも増大するため、適切な高さ設定が重要です。

一般的な2階建て住宅では、軒高9m以下に抑えることで構造的な安定性が保たれるとされています。また、建物の重心を低く保つため、重い材料は下階に配置し、上階には軽量な材料を使用することが効果的です。

屋根についても、瓦屋根よりも軽量な金属屋根や化粧スレートを選択することで、建物全体の重心を下げるとともに荷重を減らし、地震時の安定性を向上させることができます。

工法別の地震対策

在来工法の特徴

在来工法(木造軸組工法)は、柱と梁で建物を支える日本の伝統的な工法です。地震対策として、筋交いや構造用合板による耐力壁の設置、金物による接合部の強化が行われます。

在来工法では間取りの自由度が高い一方で、適切な耐力壁の配置と接合部の強化が耐震性能の鍵となります。特に、柱と梁の接合部には適切な金物を使用し、構造計算に基づいた設計が必要です。

また、在来工法では開口部の大きさや位置が耐震性に影響するため、大きな窓や開口部を設ける場合は、その分他の部分で耐力壁を増設する必要があります。

ツーバイフォー工法の特徴

ツーバイフォー工法は、2インチ×4インチの材料を構造材として枠組みを作り、構造用合板で覆って面で荷重を支える工法です。壁・床・屋根が一体となった箱型構造により、高い耐震性を実現します。

この工法では、建物全体が一つの箱として機能するため、地震時の変形が少なく、優れた耐震性能を発揮します。また、火災に対する耐火性能も高く、断熱性や気密性にも優れています。

地震に強い工法を選ぶ際の確認ポイント

  • 構造計算が適切に実施されているか
  • 耐力壁の配置バランスが検討されているか
  • 接合部の金物が建築基準法に準拠しているか
  • 地盤調査結果に基づいた基礎設計がされているか

ラーメン構造の特徴

鉄骨造や鉄筋コンクリート造で用いられるラーメン構造は、柱と梁を剛接合し、骨組み全体で荷重を支える構造です。住宅では鉄骨系プレハブ住宅などに採用されています。

ラーメン構造は大きな開口部や自由な間取りを実現しながら、高い耐震性能を保つことができる特徴があります。また、経年による性能低下が少なく、メンテナンス性にも優れています。

ただし、建築コストが比較的高く、基礎工事も大がかりになる場合が多いため、予算や立地条件を十分に検討する必要があります。

間取りと開口部の地震対策

バランスの取れた間取り設計

地震に強い間取りの基本は、建物の重心と剛心のバランスを保つことです。重心は建物の重量の中心点、剛心は建物の剛性の中心点を指し、この2点が近い位置にあることで地震時のねじれを抑制できます。

間取り設計では、重い設備機器や収納を建物の中央付近に配置し、大きな開口部を一方向に集中させないことが重要です。また、上下階の間取りは可能な限り揃えることで、荷重の流れを明確にできます。

居室の配置については、寝室など長時間過ごす部屋は、構造的に安全性の高い位置に配置することが推奨されます。また、避難経路となる階段や廊下の周辺には、十分な耐力壁を配置する必要があります。

開口部の大きさと位置を考慮した設計

窓やドアなどの開口部は、建物の耐力壁を減少させるため、その大きさと位置が耐震性に直接影響します。大きな開口部を設ける場合は、その影響を考慮した構造設計が必要です。

開口部の配置では、建物の四方向にバランス良く配置し、一面に大きな開口部を集中させないことが重要です。また、連続する開口部では、間の壁部分(垂れ壁や腰壁)を構造的に有効活用できる設計とします。

開口部の種類 耐震性への影響 対策方法
大きな掃き出し窓 耐力壁の大幅減少 他の面での耐力壁増設
連続する窓 壁の剛性低下 間柱や垂れ壁での補強
吹き抜け 床剛性の減少 周辺部での構造補強

吹き抜けと階段の構造対策

吹き抜けは開放的な空間を演出する一方で、床剛性の低下により地震時の水平力伝達に影響を与える場合があります。吹き抜けを設ける際は、周辺部の耐力壁の配置や床剛性の確保が重要です。

吹き抜け周辺では、梁の配置を工夫し、必要に応じて構造用合板による床面の剛性確保を行うことが効果的です。また、吹き抜けの大きさは建物規模に対して適切な範囲に抑えることが推奨されます。

階段についても、構造的な配慮が必要です。階段室の周辺には十分な耐力壁を配置し、地震時の避難経路としての安全性を確保します。また、階段自体も適切な構造設計により、地震時の損傷を防止します。

既存住宅を地震に強い家へリフォームするポイント

既存住宅の地震対策として、リフォームによる耐震改修も重要な選択肢です。現在の建物の耐震性を評価し、効果的な改修方法を選択することで、安全性を大幅に向上させることができます。

耐震診断の重要性

地震対策リフォームを実施する前に、まず現在の建物の耐震性を正確に把握する耐震診断が必要です。耐震診断では、建物の構造、劣化状況、地盤条件などを総合的に評価します。

昭和56年以前に建築された住宅は、旧耐震基準で建築されているため、耐震診断による現状把握が特に重要です。診断結果に基づいて、優先順位を付けた改修実施により、効率的に耐震性を向上させることができます。

耐震診断は、建築士や耐震診断士などの専門家が実施します。多くの自治体では耐震診断に対する補助制度があるため、これらを活用することで費用負担を軽減できます。

効果的な耐震改修方法

耐震改修の主な方法として、耐力壁の増設、基礎の補強、接合部の強化などがあります。建物の状況に応じて、最も効果的な改修方法を選択することが重要です。

耐力壁の増設では、既存の間仕切り壁に構造用合板を張ったり、筋交いを追加したりします。また、開口部の一部を塞いで耐力壁とする方法も効果的です。基礎の補強では、無筋コンクリートの既存基礎に鉄筋を追加し、新しいコンクリートで巻き立てる方法が一般的です。

耐震リフォームで確認すべき改修項目

  • 既存耐力壁の劣化状況と補強の必要性
  • 基礎のひび割れや鉄筋の有無
  • 柱と土台の接合状況と金物の追加
  • 屋根の重量と軽量化の検討
  • 床や屋根面の剛性確保

リフォーム費用と補助制度

耐震リフォームの費用は、改修の規模や内容により大きく異なります。部分的な改修では数十万円から、全面的な改修では数百万円程度が一般的な費用の目安となります。

多くの自治体では耐震改修に対する補助金制度があり、改修費用の一部を補助しているため、事前に確認することが重要です。また、耐震改修工事は所得税の控除対象にもなるため、これらの制度を活用することで費用負担を軽減できます。

リフォーム実施時は、信頼できる施工業者を選択し、適切な工事管理のもとで実施することが重要です。工事完了後は、改修内容を記録した図面を受け取り、将来のメンテナンスや再改修の参考資料として保管しておきましょう。

ヤマダホームズでは、地震に強い住宅の設計・建築から耐震リフォームまで、豊富な経験と専門知識を活かした総合的なサービスを提供しています。最新の耐震技術と品質管理により、安心して暮らせる住まいづくりをサポートいたします。詳しくは以下のサイトをご覧ください。

まとめ

地震に強い家づくりには、建物の形状から構造、設計まで総合的な配慮が必要です。シンプルで対称的な形状、適切な構造技術の選択、バランスの取れた耐力壁の配置などが基本的なポイントとなります。

耐震・制震・免震の各構造にはそれぞれ特徴があり、立地条件や予算に応じて適切に選択することが重要です。また、既存住宅においても耐震診断に基づく適切なリフォームにより、安全性を大幅に向上させることができます。

家族の安全を守る住まいづくりのために、専門家と相談しながら、地震対策を十分に検討した家づくりを進めることをお勧めします。適切な知識と対策により、安心して暮らせる住環境を実現できるでしょう。

ヤマダホームズは、一般的な根太工法に比べ横からの力に約2倍強い「剛床工法」や、柱の強度低下を防ぐ「ティンバーメタル工法L」など、独自の優れた構造テクノロジーを追求し、巨大地震によるねじれや横揺れに負けない強固で頑丈な家づくりを行っています。

その耐震性能について、家づくりに役立つ情報を発信する住宅系メディア「くらしええじゃないか」でご紹介いただきました。

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