家を建てる計画を進めるうえで、活用できる補助金の有無は予算計画に大きく影響します。2026年に新築とリフォームの両方を対象としている国の支援制度が「みらいエコ住宅2026事業」です。本制度では、住宅の省エネ性能と世帯区分によって対象条件や補助額が決定されます。まずはどの区分に該当するかを確認することが、資金計画を立てる第一歩となります。
本記事では、みらいエコ住宅2026事業の対象要件、補助額、性能要件、申請の手順について、公式サイトの公表情報に基づき分かりやすく解説します。なお、記載内容は2026年9月時点の公表情報に基づいています。
- 新築の補助額:GX志向型住宅(125万円/110万円)、長期優良住宅(80万円/75万円)、ZEH水準住宅(40万円/35万円)
- 補助額の違いは寒冷地かどうかではなく、省エネ基準の地域区分(1〜4地域/5〜8地域)による[1.1]
- 対象世帯:GX志向型住宅は全世帯対象、長期優良住宅・ZEH水準住宅は子育て世帯・若者夫婦世帯に限定
- 2025年11月28日以降に基礎工事に着手した住宅が対象で、工事着工前の契約締結が必須
- リフォームの補助上限額:住宅の建築時期と施工基準に応じて40万円〜100万円
- ZEH水準住宅(注文住宅)の交付申請期限は2026年9月30日まで(他の区分と期限が異なる点に注意)
※この記事に掲載されている価格は、2026年までの相場を参考にしています。昨今の物価高騰に伴い、価格は随時変動する可能性がございます。最新の詳細な価格につきましては、必ず直接店舗までお問い合わせください。
みらいエコ住宅2026はどんな事業?

まずは、本制度の基本的な枠組みについて解説します。単独の補助事業ではなく、複数の事業が連携した施策の一部として位置づけられています。
みらいエコ住宅2026は住宅省エネ2026キャンペーンの一部
みらいエコ住宅2026事業は、国土交通省、経済産業省、環境省の3省が連携して推進する「住宅省エネ2026キャンペーン」を構成する事業の一つです。同キャンペーンには、先進的窓リノベ2026事業(環境省)や給湯省エネ2026事業(経済産業省)も含まれています。
みらいエコ住宅2026事業の対象は、高い省エネ性能を有する新築住宅の取得および省エネリフォーム工事です。窓の断熱改修や高効率給湯器の設置については専用の補助事業が用意されており、要件を満たす場合は該当する事業へ申請します。
そのため、同一住宅で複数の事業を組み合わせて活用することが可能です。ただし、同一の工事箇所に対して補助金を重複して受けることはできません。
すべての手続きは登録事業者が行う
みらいエコ住宅事業者とは、建築主に代わって交付申請手続きを行い、交付された補助金を建築主へ還元する事業者として、あらかじめ本事業に登録された住宅事業者のことです。建築主自身が直接申請することはできません。
本補助金を利用する場合は、事前に登録を完了している事業者と工事請負契約を締結する必要があります。契約手続きを行う前に、事業者の登録状況を確認しておきましょう。登録事業者は公式サイトの検索機能から確認可能です。
交付された補助金は、登録事業者を経由して建築主へ還元されます。工事代金への充当や現金での還元など、還元方法は契約時に事業者と取り決めます。
新築を建てた時に受けられるみらいエコ住宅2026の補助
新築住宅を対象とした補助枠は、住宅性能に応じて3種類に区分されます。区分ごとに補助額や対象世帯の要件が異なります。
補助額と対象となる世帯
公式サイトで公表されている補助額は以下の通りです。なお、地域区分は「建築物のエネルギー消費性能の向上等に関する法律(建築物省エネ法)」に基づく地域区分を指します。
| 補助対象住宅 | 対象となる世帯 | 地域区分1から4 | 地域区分5から8 | 古家の除却を伴う場合の加算額 |
|---|---|---|---|---|
| GX志向型住宅 | すべての世帯 | 125万円/戸 | 110万円/戸 | なし |
| 長期優良住宅 | 子育て世帯または若者夫婦世帯 | 80万円/戸 | 75万円/戸 | 20万円 |
| ZEH水準住宅 | 子育て世帯または若者夫婦世帯 | 40万円/戸 | 35万円/戸 | 20万円 |
既存住宅(古家)の解体を伴う場合の加算額は、解体する棟数にかかわらず最大20万円です。加算の対象となるのは、新築住宅の建築主またはその親族が所有する住宅の解体工事であり、2025年11月28日以降に工事を発注し、完了報告までに解体が完了するものに限られます。なお、既存住宅の所在地は新築予定地と同一である必要はありません。
上記の補助額および適用条件は、新築分譲住宅(建売住宅)を購入する場合にも同様に適用されます。
子育て世帯と若者夫婦世帯の定義
世帯区分の判定は、交付申請時点の家族構成および定められた基準日における年齢に基づき行われます。公式の定義は以下の通りです。
| 区分 | 定義 | 令和8年3月末までに工事着手する場合 |
|---|---|---|
| 子育て世帯 | 申請時点で子を有する世帯。子とは令和7年4月1日時点で18歳未満の者 | 令和6年4月1日時点で18歳未満の者 |
| 若者夫婦世帯 | 申請時点で夫婦であり、いずれかが令和7年4月1日時点で39歳以下の世帯 | 令和6年4月1日時点で39歳以下の者 |
年齢要件は申請時点ではなく基準日時点で判定され、さらに工事に着手する時期によって基準日が異なる点に注意が必要です。要件の境界線に該当する場合は、着工予定時期も含めて施工事業者へ事前確認を行いましょう。
GX志向型住宅に求められる性能
GX志向型住宅は、一般的なZEH基準を大幅に上回る高い省エネ性能を備えた住宅と定義されています。戸建住宅の場合、立地条件に応じて以下の4要件をすべて満たす必要があります。
| 項目 | 一般の地域 | 寒冷地または低日射地域 | 多雪地域または都市部狭小地等 |
|---|---|---|---|
| 断熱等性能等級 | 等級6以上 | 等級6以上 | 等級6以上 |
| 再生可能エネルギーを除く一次エネルギー消費量削減率 | 35パーセント以上 | 35パーセント以上 | 35パーセント以上 |
| 再生可能エネルギーを含む一次エネルギー消費量削減率 | 100パーセント以上 | 75パーセント以上 | 要件なし |
| 高度エネルギーマネジメントの導入 | 必要 | 必要 | 必要 |
「再エネを除く一次エネルギー消費量削減率35%以上」の要件を満たすには、一次エネルギー消費量等級8以上の基準をクリアする必要があります。また、高度エネルギーマネジメントの導入要件とは、エコーネットコンソーシアムのWebサイトに掲載されている「ECHONET Lite AIF仕様」適合コントローラーを設置することを意味します。
本区分における「寒冷地」とは省エネ基準の地域区分1〜2地域、「低日射地域」とは年間日射地域区分A1・A2に該当する地域を指します。また、「多雪地域」は建築基準法施行令第86条に基づき垂直積雪量100cm以上と定められた地域、「都市部狭小地等」は第一種・第二種低層住居専用地域等で敷地面積85㎡未満の土地(平屋を除く)を指します。
長期優良住宅とZEH水準住宅の性能
長期優良住宅とは、長期にわたり良好な状態で使用するための構造・設備を備え、所管行政庁の認定を受けた住宅です。本事業の補助を受けるには、戸建住宅において「断熱等性能等級5以上」かつ「一次エネルギー消費量等級6以上」を満たす必要があります。
ZEH水準住宅は、戸建住宅において「断熱等性能等級5以上」かつ「再エネを除く一次エネルギー消費量削減率20%以上(一次エネルギー消費量等級6相当)」を満たすことが要件です。
長期優良住宅の制度概要については長期優良住宅で使える補助金と減税をまとめた記事で、ZEHの基準やメリットについてはZEH住宅のメリットと補助金の条件をまとめた記事で詳しく解説しています。
床面積と立地の要件
対象となる住戸の床面積は、50㎡以上240㎡以下であることが条件です。なお、床面積は建築基準法に基づき壁芯面積で算出します。
また、建築立地に関する立地除外要件も設定されています。「土砂災害特別警戒区域」「急傾斜地崩壊危険区域」「地すべり防止区域」内に立地する住宅は補助対象外となります。加えて、市街化調整区域内の土砂災害警戒区域や浸水想定区域、災害危険区域内に位置する住宅なども原則対象外です。
交付申請手続きにあたっては、建築士が該当区域の有無を自治体等へ確認のうえ申告します。土地探しの段階で各種ハザードマップを確認しておくことで、契約後に補助対象外と判明するトラブルを防止できます。
みらいエコ住宅2026の補助はリフォームでも受けられる?
既存住宅の省エネリフォーム工事も本事業の対象となります。新築住宅とは要件構造が異なるため、分けて確認しておきましょう。
対象となる住宅と必須の工事
対象となる住宅は、原則として平成28年(2016年)12月31日以前に建築された住宅です(戸建・共同住宅を問いません)。平成29年以降に建築された住宅であっても、平成11年省エネルギー基準を満たさないことが証明できる場合は対象に含まれます。
リフォーム補助を受けるには、外気に面する開口部を持つ1つの居室(トリガールーム)において、指定された組み合わせの改修工事を実施することが必須です。
工事の組み合わせ基準は2種類あります。「義務基準に相当する工事」は【開口部の断熱改修+躯体の断熱改修+特定エコ住宅設備の設置】の3項目、「次世代省エネ基準に相当する工事」は【開口部の断熱改修+躯体の断熱改修】の2項目です。
みらいエコ住宅2026の補助上限額
リフォーム工事における補助上限額は、住宅の建築時期と適用する工事基準の組み合わせによって決定されます。
| 対象となる住宅の新築時期 | 義務基準に相当する工事 | 次世代省エネ基準に相当する工事 |
|---|---|---|
| 平成3年まで | 100万円/戸 | 50万円/戸 |
| 平成4年から平成28年まで | 80万円/戸 | 40万円/戸 |
実際の交付額は、上限額の範囲内で補助対象となる各工事項目の設定額を合算して決定されます。必須工事に加え、同一住宅内で実施するその他の対象改修工事も補助額の計算に加算可能です。
対象となる改修メニューには、開口部・躯体の断熱改修、特定エコ住宅設備・エコ住宅設備の設置、子育て対応改修、防災性向上改修、バリアフリー改修、空気清浄・換気機能付きエアコンの設置、リフォーム瑕疵保険等への加入などが用意されています。
他の事業との関係
窓の断熱改修において「先進的窓リノベ2026事業」の対象となる製品を用いる場合は、同事業へ申請するため本事業との重複申請はできません。ただし、先進的窓リノベ2026事業が予算上限に達した後は、本事業(みらいエコ住宅2026事業)の補助対象として受け付けられます。
また、給湯器の設置において「給湯省エネ2026事業」や「賃貸集合給湯省エネ2026事業」で交付決定を受けている場合、本事業で高効率給湯器工事を実施したものとみなして必須要件を計算できる特例措置が存在します。
なお、他の連携事業で交付決定を受けている場合、本事業単体での交付申請額の合計が2万円以上でなければ申請できません。小規模工事のみを検討している場合は最低申請金額の制限にご留意ください。リフォーム制度全般の詳細は補助金対象のリフォームの種類と申請手順をまとめた記事でまとめています。
みらいエコ住宅2026はどんな手順で申請するの?
補助要件を満たしている場合でも、申請手続きの手順やタイミングを誤ると補助金を受け取れなくなります。不支給を防ぐため、スケジュール管理を徹底しましょう。
契約と着工の順序
新築住宅の場合、工事請負契約の締結日に指定はありませんが、必ず「建築着工前」に契約が締結されている必要があります。着工後に締結された契約工事は補助対象外となります。
着工時期に関しては、2025年11月28日以降に基礎工事(根切り工事または基礎杭打ち工事)に着手した物件が対象です。リフォーム工事の場合は、2025年11月28日から遅くとも2026年12月31日までに着工した工事が対象となります。
分譲住宅(建売住宅)を購入する場合も基礎工事の着手日が判断基準となります。不動産売買契約日ではないため、検討時に販売事業者へ着工日を確認することが重要です。
交付申請の時期
新築住宅の交付申請は、基礎工事完了後に実施可能となります。申請時点で一定以上の工事出来高に達していない場合は、2027年1月31日までに該当工事を完了させ、出来高報告を提出しなければなりません。
ここで求められる出来高とは、基礎工事着工以降の施工費用出来高が補助額以上となっている状態を指します(2027年1月31日時点で建物全体が完成している必要はありません)。
期間内に出来高報告の確認が取れない場合、申請が却下されたり交付決定が取り消されたりする措置が取られます。工程管理は施工事業者が行いますが、施主側も期限の存在を認識しておきましょう。
締切と予算
手続きの申請期限は申請区分ごとに異なります。混乱を防ぐため、以下の比較表で期限を確認してください。
| 区分 | 交付申請の予約 | 交付申請 |
|---|---|---|
| 注文住宅の新築(ZEH水準住宅を除く) | 遅くとも2026年11月16日まで | 遅くとも2026年12月31日まで |
| 注文住宅の新築(ZEH水準住宅) | 遅くとも2026年8月17日まで | 遅くとも2026年9月30日まで |
| リフォーム | 遅くとも2026年11月16日まで | 遅くとも2026年12月31日まで |
なお、いずれの区分も国の予算上限に達した時点で交付受付が早期終了します。上表の日付はあくまで最長の公表期限であり、実際の受付終了日は前倒しとなる可能性が高い点にご注意ください。
公式サイトでは、予算に対する申請額の割合(予算消化率)が毎日更新されています。計画の初期段階から進捗状況をチェックしておくことをおすすめします。
申請のために準備しておく書類
新築住宅の交付申請には、指定の省エネ性能を証明する書類が必要です。GX志向型住宅・ZEH水準住宅では「BELS評価書」や「設計/建設住宅性能評価書」、長期優良住宅では「長期優良住宅建築等計画認定通知書」が該当します。
これらの証明書類は、第三者機関による審査や行政機関の認定手続きを要するため発行までに時間を要します。設計段階から計画的に書類発行手続きを進めましょう。
また、GX志向型住宅(戸建)に関しては事業者ごとの申請枠上限にも注意が必要です。登録事業者1社あたりの申請上限は原則月300戸(通常枠)に制限されています。高度なGX推進に取り組む事業者に対しては事務局の承認に基づき月300戸の別枠が加算されますが、施工枠の有無を事前に事業者に確認することをおすすめします。
ヤマダホームズでは、高省エネ住宅のご提案とともに各種補助金制度の最適な活用アドバイスを行っております。全国のモデルハウスにて最新の断熱仕様や設備をご体験いただけますので、新築・リフォームをご検討中の方はぜひお気軽にご相談ください。

よくある質問
- 子どもがいない40代の夫婦でも補助を受けられますか
-
GX志向型住宅であれば補助対象となります。GX志向型住宅は全世帯が対象です。一方、長期優良住宅およびZEH水準住宅の新築は「子育て世帯」または「若者夫婦世帯」に限定されるため、該当しない場合はGX志向型住宅の性能要件を満たす設計計画が必要です。なお、リフォーム工事に関しては世帯要件の制限はありません。
- すでに着工している住宅でも申請できますか
-
基礎工事(根切り工事または基礎杭打ち工事)への着手が2025年11月28日以降であれば対象となります。ただし、建築着工前に工事請負契約が締結されていること、および本事業に登録された事業者との契約であることが必須条件となります。
- 補助額が2種類あるのはなぜですか
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建築物省エネ法に基づく「地域区分」によって基準補助額が異なるためです。建築予定地が「1〜4地域(寒冷地等)」か「5〜8地域」かによって支給額が分けられています。該当する地域区分については施工事業者または公表されている地域区分一覧で検索可能です。
- 建て替えの場合に加算はありますか
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長期優良住宅およびZEH水準住宅の場合、条件を満たす既存住宅の解体(除却)を行うことで20万円の加算を受けられます。建築主または親族が所有する住宅の解体工事を2025年11月28日以降に受発注し、完了報告までに解体を終えることが条件です(解体地と新築地が異なっていても可)。なお、解体棟数にかかわらず加算上限は20万円であり、GX志向型住宅には除却加算がありません。
- ハザードマップの区域内だと対象外になりますか
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指定されている危険区域の種類によります。「土砂災害特別警戒区域」「急傾斜地崩壊危険区域」「地すべり防止区域」内に立地する場合は対象外です。また、市街化調整区域内の土砂災害警戒区域や浸水想定区域に立地する場合も原則除外されます。ただし、自治体により区域指定の解除予定が公表されている場合など例外措置が適用されるケースもあります。詳細は建築士を通じて自治体へ確認を行います。
- 窓の交換だけでリフォームの補助は受けられますか
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みらいエコ住宅2026事業のリフォーム枠では、指定の居室(トリガールーム)において要件を満たす複数の工事を組み合わせて行うことが必須となるため、窓交換のみでは申請できません。窓の断熱改修のみを行う場合は「先進的窓リノベ2026事業」の活用をご検討ください。同事業の対象製品を用いた工事は本事業の対象外となります。
まとめ
みらいエコ住宅2026事業は、住宅省エネ2026キャンペーンを構成する国の補助制度で、新築とリフォームの両方を対象としています。新築では住宅の省エネ性能や世帯区分によって補助額や対象条件が異なり、リフォームでは必須となる工事の組み合わせなど独自の要件が設けられています。
また、申請は登録事業者が行う仕組みのため、契約や着工の順序、区分ごとに異なる申請期限、予算上限による早期終了にも注意が必要です。要件と手続きの流れを早めに確認し、事業者と相談しながら計画的に活用しましょう。



