Case.16
不可視の建築
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不可視の建築
周辺一帯には南下がりの傾斜地が緩やかに広がり、緑深い庭付きの住宅が静かで落ち着きのある街並みを創り出している。加えて西には色濃い六甲山系の山並み、南には遠く大阪湾を望むことができる。
この家はポテンシャル豊かな立地条件に対応するため、隣家が接近している北と東は互いのプライバシーを尊重し、ハードな壁で切り取り、対する西と南は周囲の静かな環境、残された自然を可能な限りリアルに感じさせるため、外部と内部との境界に素材として無色透明なガラスを用い、視覚的に一体になるようにした。さらに空気的な透明性を得るため、大自然に向けて足元から大きな開口部を設け、空間を通して伝えられる光や音や匂い、ぬくもりなどの情報を得ることで感覚的に一体感を図り、内にいながらまるで外にいるような曖昧で居心地の良い空間を創り出し、現代社会が忘れかけていた自然の記憶を取り戻すことができた。
内部空間は三つのレベルで構成し、場の力を持つ南西角は1階床より1メートルのレベルにあるオープンスペースとし、通路であり来客用であり、月を愛でる場でもあるスクランブルエリアとして仕掛けている。
Data
所在地 | 兵庫県 |
---|---|
竣工 | 2000年 |
延床面積 | 171.41㎡(51.85坪) |
構造 | 大断面集成材軸組構法 |
Designers
不可視の建築
Data
所在地 | 兵庫県 |
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竣工 | 2000年 |
延床面積 | 171.41㎡(51.85坪) |
構造 | 大断面集成材軸組構法 |