狙われやすい家とおすすめの防犯対策

「日本は治安が良い」と長年言われてきましたが、近年は住宅に侵入して窃盗などをする犯罪が増加する一方です。犯罪者はやみくもに家に侵入するのではなく、しっかりと下見をして侵入しやすい家に狙いを定めています。

つまり侵入しやすい家の特徴を把握していれば、防犯性の高い家を造れるのです。

今回は、狙われやすい家の特徴やおすすめの防犯対策を紹介します。
家を建てたりリフォームしたりする予定の方は、参考にしてください。

1. 狙われやすいのはこんな家

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はじめに、犯罪者が狙いやすい家の特徴を窓・庭(カーポート・物置)・玄関の3か所からご紹介します。窃盗犯は、5分以内に侵入できなければ7割があきらめると言われています。

では、どのような特徴があれば犯罪者は「侵入しやすい家」と考えるのでしょうか?

A:窓
”家の窓”
• 防犯ガラスではない
• 複数ロックをしていない
• 雨戸やシャッターを設置していない
• ベランダに身を隠しやすい

犯罪者は、窓を破って侵入するケースが多いです。警察庁の「住まいる110番 」によると犯罪者が家に侵入してくる手口の第2位がガラス破りです。

したがって、複数ロックをしてあったり雨戸やシャッターを閉めてあったりする窓は防犯上大変有効です。

また、防犯ガラスであっても無施錠では意味がありません。犯罪者は「こんなところから」と思うような小さな窓からも侵入します。

その一方で、犯罪者は人目を気にします。無施錠な普通の窓があっても人通りの多い道から丸見えであれば、犯罪者は侵入をあきらめます。

しかし、人目があっても身を隠す場所があれば、犯罪者は侵入を試みるでしょう。

身を隠す場所があるベランダは、犯罪者にとってとても都合がいいのです。

B:庭・カーポート・物置
”家の庭”
• 身を隠す場所がある
• 照明がない、もしくは少なく夜間は暗くなって見通しが悪い
• 2階への足場になる建物がある
• 脚立など足場となるものを収納した無施錠の物置がある
• 高い塀がある、木が生い茂るなどして見通しが悪い

犯罪者は、人目を何よりも嫌います。人目につかない、もしくは人目があってもそれを隠せるものがある家は、格好の侵入対象です。

緑豊かな広い庭はとても素敵ですが、犯罪者から見れば格好の目隠しです。2階のベランダへの足掛かりになるような高い樹木、カーポート、物置がある家も危険です。

また、物置の中にはしごや脚立など2階への足がかりになるようなものが入っていれば、犯罪者はそれを利用して侵入を試みる可能性があります。

このほか、夜になると暗くなって見通しが効かない庭も危険です。闇に紛れて犯罪者が近づいてきてもわかりません。

プライバシーの確保から、目隠しや塀などで家の敷地をぐるりと囲むケースは珍しくありませんが、人目を隠す分別の防犯対策をしっかりすることが大切です。

C:玄関
”家の玄関”
• 周囲から見にくい場所にある
• 旧式の錠前しかついておらず、ピッキングに弱い
• 鍵が1つしかない
• 勝手口など視界が遮られている出入り口がある
• 合鍵を外に隠しているなど防犯上問題がある
• 玄関前に照明がなく夜間が暗い
• インターフォンがない

玄関から入ってくる犯罪者はいないと思われがちですが、玄関の施錠を破って侵入してくるケースは決して珍しくありません。代表的な手口は「サム ターン回し」と呼ばれる、ドアの内部にあるつまみを回す方法です。

新しいドアはサムターン回し対策が取られているものも多いですが、古いドアほど扉を閉めても隙間が空くなどして、サムターン回しがしやすくなります。

またドアスコープや郵便受けが付いたドアは、そこから器具を入れられて解錠される恐れがあります。さらに、古い住宅によくある両開きの引き戸は防犯性 が大変低く、侵入が容易です。

玄関のドアには複数のカギが取り付けられていて防犯性は高いのに、勝手口のドアは旧式の鍵が付いているだけ、といった家も犯罪者にとっては格好の侵入対象です。

玄関が通りから入ったところにあったり勝手口が通りに面していなかったり、夜間は真っ暗でドア近くに人がいても気づきにくかったりすれば、犯罪者は侵入しやすくなります。近年は、ドア の隙間にバールのようなものをこじ入れてドアを無理やり解錠する荒っぽい手口も増えてきました。

このようなやり方も、人目につきにくい場所ほど行いやすいです。このほか、合鍵を外に隠しておくのは大変危険です。一昔前はポピュラーな方法でしたが、人がカギを隠す場所は限られています。合鍵が手に入れば、犯罪者は怪しまれることなく堂々と家に侵入するでしょう。

犯罪者が家に侵入する目的はさまざまです。
代表的なものは窃盗ですが、その他にも盗撮や盗聴、性犯罪などを目的に家に侵入する例は多いです。

金品を取られたり命に別条がなかったりしても、プライバシーをさらされたり付きまとわれたりする恐れがあります。近年は、SNSの発達により誰でも簡単に世界中に情報が発信できるようになったことで、不用意に情報を発信したことにより身元や家が特定されてしまうケースも増えています。

また、侵入しやすい家の情報が犯罪者の間で短時間に共有される例も増えています。「防犯が手薄」といった情報が知れ渡るといつ自宅に侵入されてもおかしくない状態です。

「犯罪者は5分で家の中に侵入できる」と解説しましたが、逆にいえば5分以内に侵入できなければあきらめる可能性が高いです。

つまり、5分間犯罪者の侵入を防ぐ対策さえ取っておけば、安全性はかなり高まると言っていいでしょう。ここでは、防犯対策に役立つアイテム・サービスを7つご紹介します。

これから家を建てる方やリフォームをする方は、ぜひ参考にしてください。

2. 防犯カメラ

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防犯カメラ自体に犯罪者の侵入を防ぐ物理的な効果はありません。

しかし、防犯カメラがあれば犯罪の発生を未然に防げる確率が高まります。

犯罪者は自分の姿を見られるのと同じくらい、撮影されることを嫌います。

防犯カメラに自分の姿がしっかりと記録されていれば、たとえ窃盗など犯罪は成功したとしても逮捕は時間の問題です。

また、防犯カメラとセキュリティサービスが連動していれば、室内を物色中に警備員が駆けつけてくるかもしれません。このように、防犯カメラはあるだけで犯罪者に「ここに侵入するのはやめておこう」といった心理的抑制効果を働かせます。

たとえ、防犯カメラなどおかまいなしに屋内に侵入されたとしても、犯罪者の姿がしっかりと映っており、逃走経路も確認できれば逮捕は容易になるでしょう。

その一方で、防犯カメラを壊されたりレンズを塗りつぶされるなど撮影ができない状態にされたりすれば、一気に無効化されてしまいます。
防犯カメラを設置するならば別の物理的に侵入を防ぐグッズと併用しましょう。
一般住 宅で防犯カメラを設置する場合は、玄関前や侵入しやすい窓などの前に設置するのがおすすめです。

家族以外の姿が容易に映らないようにプライバシーにも配慮しましょう。

さらに、防犯カメラを設置して常に録画中であることをアピールするのも有効です。

3. スポットライト

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スポットライトもまた、犯罪者の侵入を心理的に防ぐ有効なアイテムです。
センサー付きで人の姿を感知してライトが付けば、「そこに誰かいる」とすぐにわかります。
犯罪者にとって自分の姿が察知されるのは、大変嫌なことです。

近年は、家の中に人がいても侵入に及ぶケースが珍しくないため、居住しているときの防犯対策としては大変有効です。

また、防犯カメラと併せて使えば、侵入しようとする犯罪者の姿をより鮮明に写せるでしょう。

その一方で、スポットライトは家の中に人がいないと抑止力の効果は薄い場合もあります。

スポットライトがついてしばらくしても何もなければ、犯罪者は「家に人がおらず周りに人もいない」と安心して犯罪に及ぶかもしれません。
ですから、スポットライトとほかの防犯グッズと組み合せて設置するのがおすすめです。

4. 宅配BOX

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インターネット通販の発達により、宅配便が頻繁に家にやってくることも珍しくなくなりました。

その一方で、宅配便の配達人を装った犯罪者も増えています。

また、置き配された宅配便の中身を見てその家の経済状況を把握し、侵入を試みる犯罪者もいます。

宅配便は宅配ボックスを置いてその中に入れてもらうと安全性も高まり、プライバシーも保てるのでおすすめです。

ここでは、Panasonicより販売されている「コンボシリーズ」より2つの製品を紹介します。

どちらも10万円以内で設置できます。

コンボミドルCTNR4020R

コンボミドルCTNR4020R

幅:340mm ・ 高さ:500mm ・奥行:350mm、20㎏までの荷物を受け取れるタイプです。
電源不要で配線工事もいらないため、希望の場所に設置できます。
電気不要の押印機能も付いているので、不在時も安心して荷物を置いていってもらえます。

コンボライトミドルCTNR6020RB

コンボライトミドルCTNR6020RB

幅:310mm・高さ:500mm・奥行き:400mm 20㎏までの荷物を受け取れるタイプです。
コンボミドルCTNR4020Rよりスリムで奥行きがある分、スペースに余裕がない場所でも設置しやすいです。
2段連結も可能なので、荷物が1日に複数届く場合も使いやすいでしょう。
こちらの製品も電源不要で押印機能が付いています。

5. 防犯ジャリ

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防犯ジャリとは、人が踏むと76.5dB(デシベル)以上の音を出すように作られた防犯効果の高いジャリです。
76.5dbとは、掃除機をかける音や電話の呼び出し音程度の音量です。
屋内にいても、このくらいの音が外からすれば気づく方も多いでしょう。

犯罪者にとっても歩くたびに大きな音がするのは嫌なものなので、犯罪を抑止する心理的効果も高めです。
防犯ジャリは、ガラス・天然石・溶岩・セラミック・瓦など複数の種類があるため、好みや予算に応じて選びましょう。

その一方で、防犯ジャリは住宅密集地で使うと騒音問題になる場合もあります。
利用する場合は、周囲への影響も考えましょう。

6. 電動シャッター

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電動シャッターは開閉がリモコンでおこなえるうえ、防犯性がとても高いです。
電動シャッターは外から手で開けるのが難しいので、見ただけで犯罪者に侵入をあきらめさせる心理的効果も期待できます。
電動シャッターは後付けも可能なうえ、雨戸よりも開閉が楽です。
台風などの自然災害からも窓ガラスを守ってくれます。
外から見えにくい、犯罪者にとって侵入しやすい場所の窓やガレージに設置すれば、防犯効果は格段に高まるでしょう。
防犯カメラ、防犯ガラス、センサーライトなどと併用すればさらに効果的です。

ただし、設置ができないケースもあるので専門家に相談してください。

7. 窓

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窓は、最も犯罪者が侵入しやすい場所です。
窓が大きいほど侵入される危険は高まります。
また、2階以上の高い場所にある窓も足場があれば簡単に登れます。
集合住宅の最上階に近い部屋でも、屋上から伝いおりてきて部屋に侵入された事例もありました。

しかし、採光や風通しの面から考えても窓は必要です。
ここでは、窓にできる防犯対策を2つご紹介します。

防犯ガラス

防犯ガラスは、割れにくいだけでなく割っても破片が飛び散りにくく、震災にあっても被害を最小限にくいとめられるメリットがあります。
防犯ガラスというと網入りのガラスがイメージされますが、現在は安全合わせ複層ガラスなど、2枚のガラスの間に樹脂中間膜を挟んだ製品も出ています。
安全合わせ複層ガラスは一見すると普通のガラスと同じですが、はるかに割れにくくこじやぶり対策に有効です。網入りガラスのように視界を遮ることもありません。
ガラスの種類によっては、紫外線も99%カットできるものもあるので紫外線対策にも効果的です。

サッシ

窓のサッシが経年劣化などでがたついたりゆるんだりしていると、そこからこじやぶりをされるケースもあります。

サッシの経年劣化は断熱性の低下や結露の発生などにもつながるので、サッシががたついたり隙間風が入ってきたりするようであれば、リフォームを検討しましょう。
また、サッシを固定する補助鍵を後付けすれば、犯罪者の侵入を防ぐのに大変効果的です。 補助鍵があれば窓を割られてクレセント錠を解錠されても、窓が開かないので犯罪者の侵入を防げる可能性が高まります。

8. 鍵

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犯罪者に鍵を入手されると、侵入される危険性が格段に高まります。
特に危険なのは、財布と鍵を同時に落としたときです。
財布には免許証など住所がわかるものを入れている方が多いため、犯罪者に拾われると家を特定されてしまいます。
防犯性の高い鍵を作っても、落としてしまえば無意味です。
特に、小さい子どもは気を付けていても鍵をなくしがちなので、注意しなければなりません。
なお、ストーカーなどは鍵を盗んで合い鍵を作ることもあります。
このような悩みを解決するには、以下の製品がおすすめです。

バイオニクス(AQUBIO Ⅱ)

バイオニクス(AQUBIO Ⅱ)1

後付け可能な血流認証装置。偽造や複製が極めて困難な指の血流を利用した生体認証システム。指が鍵の役割を果たす為、玄関のカギを持たないことがセキュリティに繋がります。鍵の紛失の心配もありません。

バイオニクス(AQUBIO Ⅱ)3
バイオニクス(AQUBIO Ⅱ)2

9. 警備会社とのセキュリティ契約

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警備会社のオンラインセキュリティに加入すれば自宅への侵入などの異変を監視して、もしもの時に警備員が家に駆けつけてくれたり、必要ならば警察への通報をおこなってくれるなど、訓練された警備員が対応してくれるのでとても安心です。
HOME ALSOK Connectが提供するセキュリティプランはご予算や目的に合せ、「オンラインセキュリティ」と「セルフセキュリティ」の2つのプランをお選び頂けます。

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10. まとめ

今回は、狙われやすい家の特徴や防犯性を高めるポイントを紹介しました。
プライバシーがしっかり保たれて広い庭があり、大きな窓があって採光性や通風性の高い家は素敵ですが、防犯面からみると危険です。
また、現在は遠くから窃盗目的にやってくる犯罪者も増え、田舎だからといって安心もできません。むしろ人の目が届きにくい分、危険が高いところも多いです。
ですから、家を建てたりリフォームしたりする場合は、防犯性も意識した家を造ることが大切です。

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